
外資系コンサルで働く小川幸恵さん(仮名・42歳)は、将来の妊娠の可能性を残すため30代後半で卵子凍結を選択した。その後、40代で出会ったパートナーに卵子凍結を打ち明けたところ、思わぬ回答が返ってきたのだという。※本稿は、松岡かすみ『「-196℃の願い」卵子凍結を選んだ女性たち』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
結婚の話が出始めた頃
卵子凍結を打ち明けた
今、小川幸恵さんには、付き合っているパートナーがいる。知人主催の食事会で出会った、2歳年上でバツイチの男性だ。「意外にもこの歳で、出会いがあったんですよ」と、ちょっと恥ずかしそうに照れ笑いしながら、ぽつりぽつりと彼について話してくれた。
彼は30代後半で離婚しており、7歳になる娘がいる。娘は元妻と一緒に暮らしており、彼は一人暮らしだ。私立高校の教師をしている。最初は付き合うことになるとは思っておらず、恋愛対象としては見ていなかった。
だからこそ、気兼ねなく何度か2人で食事に行ったりしていたのだが、ある時点から急接近したらしい。いわゆる“婚活”を通じて出会った相手ではない。「これまで付き合ってきた人とは全然タイプが違うけれど、気を使わずに、自然体の自分でいられる相手」だと微笑む。
仮に40歳を人生の折り返し地点とするなら、互いにそのポイントを過ぎてからの出会い。人生後半の過ごし方について考える中、自然と「このまま一緒に歳を重ねたい」と思うようになった。