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ヤフーも導入「通年採用」が社員と人事にもたらすプラス効果

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第450回】 2016年11月2日
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ヤフーは通年採用の導入で
超優秀学生を青田買いできる

 大手のインターネット情報サービス会社ヤフーが、同社が「ポテンシャル採用」と名付けた、いわゆる通年採用の仕組みを導入すると発表した。18歳以上30歳未満を対象に、応募から2年以内に入社する条件で、一年を通していつでも応募できるという。年度ごとに在学中に採用内定を出して、卒業業後の4月に年度ごとに一括して採用する「一括採用」が一般的であった多くの日本企業とは大きく異なる仕組みだ。

 ヤフーは、先般、社長が「週休3日制」の導入を目指すと言い出すなど、ここのところ、思い切った人事政策を相次いで実施しようとしている。共に同社特有の事情を踏まえたものだと思われるが、今後に期待できる意欲的な施策で好感が持てる。

 「18歳以上30歳未満」という条件は目新しく感じるが、研究に注力して世間の就職活動時期に満足に活動ができなかった大学院生の採用などに効力を発揮しそうだし、学生時代の海外留学やボランティア活動経験者など多様な経験を持つ人材を採用しやすくなる。

 一方、この条件を見て筆者が個人的に興味を持つのは、大学1年生、2年生の時点で内定を与え、大学の3年、4年時は会社生活と大学生活の両立を許すようなかたちで超優秀な学生を青田買いできないかだ。仮に、プログラミングの天才のような少年がいる場合、ヤフーに就職して、ヤフーに勤めながら大学卒業を目指すことが可能ではないか。交渉が成立すれば、両者にとってプラスになる公算が大きい。

なぜ、通年採用は
拡がらなかったのか

 ヤフー以外の会社に目を転じると、ソフトバンクやファーストリテイリングが通年採用を行っている。また、経済同友会は通年採用への切り替えを提唱しており、世耕弘成経済産業大臣も、日本の企業が一括採用を見直してもいいのではないかと述べている。

 しかし、理念として、通年採用には好ましい面があることが理解されつつも、現実には、今ひとつ拡がりを見せていない。今後、通年採用が拡がる可能性はどの程度あるのだろうか。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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