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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

2011年は景気回復と政策リスクの年に!
鬼門は難解なイベントが集中する4-6月期
――島本幸治・BNPパリバ証券東京支店 投資調査本部長/チーフストラテジスト

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第6回】 2011年1月12日
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いよいよ景気回復イヤーが開幕
金融政策が相場変動の触媒に

 思った以上に景気は強い。昨年末に発表された11月の鉱工業生産は、前月比+1.0%と6ヵ月ぶりに上昇した。また、出荷が同+2.5%と生産以上に高い伸びを示し、上昇傾向にあった在庫と在庫率は、共に低下している。

 さらに、生産予測調査では12月が前月比+3.4%、1月は同+3.7%と大幅に上昇しており、昨年夏場から踊り場局面を迎えていた生産が、再び上昇局面に入る見通しとなった。

 リーマンショック後の生産予測指数を振り返ると、FedがQE1を導入して上振れに転じ、QE1が終了して下振れに転じ始め、QE2が導入されてから再び大きく上振れた形になる。ここに金融政策と効果のタイムラグはない。米国の金融政策で全て説明できるわけではないが、基軸通貨ドルの過剰流動性が新興国市場等を通じて世界経済に大きな影響を及ぼしてきた可能性が示唆されている。

 生産の基調、すなわち景気局面が小刻みに変化する傾向は、21世紀に入ってからの典型パターンでもある。企業が恒常的に在庫投資や設備投資、雇用に対して慎重なだけに、過剰在庫や過剰資本ストック、過剰雇用が生じることなく、伝統的なメカニズムによる景気循環は発生し難い。そのぶん、政府の経済政策や企業の年度計画などを背景に、小刻みな景気変動を繰り返す傾向が発現している。

 ITバブル崩壊後の「小刻みな景気変動」を振り返ると、おおむね2年程度の周期が観測される。日本の景気ウォッチャー指数や米国の製造業ISM指数は、西暦偶数年にピークを付け、奇数年に底入れするリズムを繰り返してきた。

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島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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