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山崎元のマネー経済の歩き方

就職先としての投資銀行の「今後」

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第46回】 2008年9月2日
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 成績優秀な学生の就職先として、投資銀行が人気業種の一つらしい。投資銀行とは、自己資金の投資も行なう証券会社のことだが、大ざっぱには外資系の大手証券会社だと思えばいい。

 根本的には証券会社であり、特別高級なことをしているわけではないが、高額の報酬で有名だ。いま一つ様になっていないが、日系の大手証券会社も同様の業務を手がけてはいる。

 以下、個別の会社について情報提供することを目的としていないので、社名を伏せて話を進めるが、ご了承願いたい。

 さて、投資銀行の本場ともいうべき米国では、バーナンキFRB議長が、先般、投資銀行の破綻処理制度が必要だと発言した。投資銀行はデリバティブのカウンターパーティ(取引相手)などのかたちで通常の銀行システムにも深くかかわっているので、一般論としても納得できる話だが、具体的な処理対象の候補が彼の念頭にあると考えるのが自然だろう。

 外資系の投資銀行で、本社が破綻したり、日本法人が部分的であっても撤退したりする場合、社員はクビを覚悟する必要がある。転職なれした猛者はいいが、入社1~2年でまだろくなスキルも実績も持たない状態でこうした事態に遭遇するとそうとうに悲惨だ。

 投資銀行に新卒で就職する秀才君には、この心配が多少ある。乗っている船が転覆した場合に、自力で岸まで泳ぎ着く力と覚悟が必要だ。

 業界関係者に聞くと、本社のサブプライム損失に加えて日本法人で取引先とのトラブルを抱えるA社や、本国の親会社が同じく巨額の損失を抱えるB社などは、日本法人を縮小、撤退する可能性が大きいと言われている。これらの会社には「嵐の前の静けさ」的なムードが漂っているらしい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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