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ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
【第39回】 2016年11月19日
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原田まりる [作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター]

ノーベル賞授賞式を欠席するボブ・ディラン、ノーベル賞受賞を拒否したサルトル

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AFP=時事

ノーベル賞授賞式を「欠席する」との意向を見せたボブ・ディランの声明が話題を呼んでいるが、授賞式のみならず「ノーベル賞受賞そのものを拒否」した哲学者がいる。サルトルだ。なぜサルトルは拒否したのか?2015年に公開された「ノーベル賞受賞拒否」、その理由とは?

歴史上唯一
「ノーベル文学賞受賞」を拒否したサルトル

 サルトルは小説「嘔吐」で高い評価を受け、1964年にノーベル文学賞にノミネートされたのだが、ノーベル文学賞受賞を拒否している。ノーベル文学賞受賞を拒否した人物はこれまでサルトルただ一人であり、もちろん日本円にしておよそ1億円弱程といわれる賞金も手にしていない。どういう思考回路であれば1億円をポンと拒否できるのだろうか……。1億あればマクラーレン一括で買えるのに…!!

フランスの最高勲章も拒否したサルトル

 またサルトルは1945年にフランスの最高勲章といわれているレジオンドヌール勲章受章も拒否しており、筋金入の「賞嫌い」のようである。

 尚、「ノーベル賞授賞」に関する選考内容の過程は50年間の守秘義務があるため、長年サルトルがノーベル賞受賞を辞退した理由は、明確にはなっていなかったのだが2015年にサルトルが送った声明の内容が公開されている。

 声明を簡単に要約すると「ノーベル賞が自分の名誉を絶頂に押し上げてしまうとしたら、自分の自由と力をつかって、『自分自身で目指すべき絶頂』に達することができなくなる」「生きてるうちに神聖化されて伝説になりたくない」という主旨のものであった。これだけ聞くと若干中二病くさいと思われる方もいるかもしれないが、これこそサルトル流の美学であり、哲学なのだ。単なる思いつきではなく断るべき理由あっての辞退であったのだ。まさしく「自由」にこだわったサルトルの思想を体現した形でのノーベル賞受賞辞退といえる。

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原田まりる(はらだ・まりる) [作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター]

1985年 京都府生まれ。哲学の道の側で育ち高校生時、 哲学書に出会い感銘を受ける。京都女子大学中退。 著書に、「私の体を鞭打つ言葉」(サンマーク出版)がある。


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17歳の女子高生・児嶋アリサはアルバイトの帰り道、「哲学の道」で哲学者・ニーチェと出会います。哲学のことを何も知らないアリサでしたが、その日をさかいに不思議なことが起こり始めます。キルケゴール、サルトル、ショーペンハウアー、ハイデガーなど、哲学の偉人たちが続々と現代的風貌となって京都に現れ、アリサに、“哲学する“とは何か、を教えていきます。本連載では、話題の小説の中身を試読版としてご紹介します。

 

「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。」

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