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中国の大気汚染、貧富の差で吸う空気が違う不平等

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2016年11月24日
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西安の環境保護局
空気採集口に“マスク”

 最近、西安市環境保護局に属する長安区観測所のエアーサンプラー(大気試料採集機)の採気口がガーゼのようなもので塞がれていることが、あるメディアの報道で明らかになった。

 この事件が明るみになるや、「西安のエアーサンプラーにはマスクが取り付けられている」と民衆から揶揄された。実際、同観測所の自動観測データに何度も異常が見られ、「環境観測データの捏造」などの疑いで、西安市環境保護局長安分局長と長安区観測所長などが警察に逮捕され、現在留置所に拘留されており、刑事責任が問われる可能性も出てきた。

 なぜ長安区観測所は捏造したのか。実は、環境保護データの捏造は、長年にわたって環境対策における公然の秘密となっていた。

 2015年1月1日、改訂された『環境保護法』が施行され、この機会に環境保護部も広範かつ厳格な取り締り運動を展開しようとした。2015年4月、環境保護部の呉曉青副部長(副大臣)は、全国環境観測現場会で、「一部の地方政府において、評価の圧力軽減や環境の質の目標達成などの目的で、行政管理部門が観測所に捏造や観測データの改ざんを指示したという事態が頻繁に発生しており、それによって政府や環境保護部門の社会的信頼性が著しく損なわれ、観測システムにも非常に大きなダメージを与えている」と表明した。

 環境問題専門家の王社坤氏の説明によると、環境保護データの捏造は大きく2種類に分かれる。1つは改ざんで、もう1つは偽造だ。

 偽造はありもしない物を作り出すことなので、比較的簡単に見破ることができる。政府部門であれ、企業であれ、偽造の方法や手段は大体同じで、「西安の観測所の職員が用いた捏造方法のレベルは非常に低いものだった」という。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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