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China Report 中国は今

中国に巨大商機もたらす空気清浄器市場
日系4社でシェア4割もブランドは群雄割拠

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第150回】 2014年5月2日
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 今年2月21日、中国中東部で広い範囲にわたり有害スモッグが発生した。中国環境部によれば、スモッグは143万平方キロメートルの広さに及んだ。中国の国土面積は960万平方キロメートルなので、その約7分の1がスモッグで覆われた計算だ。

 中国の大気汚染問題は、そう簡単には解決しそうにないが、この状況下で、ある家電製品が空前のヒットになっている。いわずと知れた空気清浄器である。

飛ぶように売れる空気清浄機
3000円から30万円台まで価格は千差万別

 今、中国の消費者にとって、“焦眉の急の買い物”といえば、この空気清浄器だ。大気汚染の深刻な地域を中心に、販売台数は過去の数十倍にも伸び、またネット販売も勢いを増している。上海の売り場でも、人気機種ともなればあっという間に「売り切れ御免」の札がかかる。「飛ぶように売れる」とは、まさにこのことだ。

 中国の市場調査会社・オールビューコンサルティングによれば、その規模は2013年の120億元(1元=約16円)から、今年は200億元を超え、2020年には1500億元の市場に成長すると言われている。

 爆発的な伸びが期待されるこの空気清浄器市場には、近年、各社製品の参入ラッシュが続いている。それは、2008年に発生した牛乳・乳製品のメラミン混入問題の後に急成長した“豆乳ミキサー”以来の巨大なヒット市場ともいえ、この「儲かる市場」に欧米、日本、中国が本気で食い込もうとしているのだ。

 中国の空気清浄器のメーカー数はざっと200社、なかには聞いたこともない家電ブランドも出現する。価格帯も「たったの200元」(約3300円)という激安商品から、消費者をして「暴利だ」と言わしめる2万元台の超高級商品まで千差万別。商品も、USBタイプやポケットタイプもあり、果ては“電子マスク”と称するものまで登場するなど、販売市場は混沌とした状況だ。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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