「アバター」と言えば、アメブロのアメーバーピグが有名で、任天堂ゲームとのコラボレーションも企画されている。しかし、ブログがメインなのかアメーバーピグをメインとしたいのか、いささか疑問符が付くところでもある。
と言うのも、新機能追加のため、かなりの頻度でメンテナンスが入り、ブログの更新ができなくなるからだ。アバターを楽しみながら、ミクシィのようにネット仲間と趣味を共有し、親交を深めたいというのであれば、「MILU」(ミル)がお薦めだ。
「MILU」は、NPO法人EC研究会主催による3D&アバタービジネスグランプリで特別賞を受賞している。多人数同時参加型オンラインゲームを基本としており、釣りをしたり、動物と仲良くなってペットを飼うことも可能だ。
趣味を共有することはもちろんだが、チャット機能を利用してコミュニケーションを取り、友人ができるというのは、顔が見えないバーチャルネット世界の中では、特殊な要素ではないだろうか?
登録後、まずはミッションと称して、妖精のチュートリアルが登場して、キャラクターの操作方法などを教えてくれる。ミッションをクリアーするたびに、お宝がプレゼントされるのも嬉しいところ。
筆者はゲームに疎いため、最初はかなり難しく感じ、抵抗感もあったが、簡単なミッションを次々とこなしていくことで、アバターキャラクターの操作性を覚えることができるようになった。このような仕組み作りが、ゲームを飽きさせない工夫なのだろう。
また、新しく加入したプレイヤーのレベルが20になるまで相互にサポートするシステムも備えている。サポートする側を「バディ」と呼び、される側を「ビギ」(ビギナー)と呼ぶのが一般的だ。ネット内でゲームを楽しみながら、コミュニケーションが取れる嬉しい機能と言えるだろう。
さらに、「スマイルシステム」という機能があり、コミュニティの中で「心温まる想いを皆に伝え合う」をスローガンに掲げ、ポジティブな気持ちをポイント化して「MILU」を楽しもうというシステムもある。せめてネットの架空世界の中では、ポジティブでいたいという考え方には、大いに共感できる。
「MILU」では、スタッフがアバターとなって巡回しているので、これが不正な行為ができない大きな要因になっているのではないだろうか。
また、そのスタッフが戸惑っている参加者の動向を見ながら、メルマガなどでアドバイスもしてくれる。
アバターを3Dで稼動しながらゲームを楽しむことができるというと敷居が高そうだが、実際に参加してみると詐欺まがいな勧誘や怪しい人物が存在していない安心感が、なぜか居心地の良い懐かしさを感じさせてくれる。
機械に頼らず、スタッフも一緒になって参加しているという、良い意味で人間くさい部分が、他にはないからではないだろうか。
(木村明夫)