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世論調査はなぜ間違えたのか
――CNNのキャスターが大統領選挙を振り返る

末岡洋子
【第137回】 2016年12月2日
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CNNの看板キャスターが
大統領選挙を振り返った

CNNの著名なニュースキャスター
ブリアナ・キーラー氏が米大統領選を振り返った
Photo by Yoko Sueoka

 11月8日――世界がその動向を見守る中、米国の第45代大統領がドナルド・トランプ氏になることが確実となった。トランプ氏勝利という結果にメディアが大慌てした理由は、候補者の考え方や主義といったものだけではない。信じて疑わなかった世論調査が外れたという点で激震が走った。

 「当日、ヒラリー・クリントン候補のヘッドオフィスでは誰もが浮かれていました。当選後に勝利宣言をするために、米国の形をした美しいステージが用意され、人々はアルコールを手にリラックスして結果を待ちました。私を始めたくさんのジャーナリストが控え、ストリーミングをする局もありました」と8日の様子を語るのはCNNのニュースキャスターであるブリアナ・キーラー氏。選挙戦では2年半に渡ってヒラリー・クリントンを追った。

 「各州の結果が入るにつれて、次第に人々の表情は変わりました。不安な顔になり、もっと不安な顔になり、最後はショックで文字通り口を開いたままボードを見つめていました」とキーラー氏は振り返る。

 自分たちすら確信していたクリントン勝利だが、現実はトランプ勝利が鮮明に。「世論調査と違う――私たちもショックでした。それでも番組があります。今夜どうするか、明日はどうするか、現実的に考えるまでに時間がかかりました」(キーラー氏)。周知の通り、敗北確実となった夜、クリントン氏は姿を現さなかった。報道関係者にとっては、キャンペーン担当を捕まえることすら難しかったという。まさに、予想外だったということだろう。

 一体何が起こったのか? まだ選挙後の余韻が冷めやらない11月16日、キーラー氏は米ラスベガスで米CA Technologiesが開催した年次イベント「CA World 2016」のWomen’s Forumで、多数の参加者を前に自分が体験した選挙戦を振り返った。

 キーラー氏は選挙戦中のあるインタビューが原因で時の人となった人物だ。8月、キーラー氏はCNNのニュース番組でトランプ氏の法務担当を務めるマイケル・コーエン氏にインタビューした。キーラー氏が「あなた方の支持は下がってますね」というと、コーエン氏は「誰が言った?(Says who?)」と言い返した。「世論調査です」とキーラー氏、「どの世論調査?」「全部です」――これはTwitterでsayswhoのハッシュタグがつき、瞬時に広まった。キーラー氏は世論調査を盾にトランプ陣営に劣勢を認めさせた格好だった。

 だが選挙が終わった現在、キーラー氏は静かに言う。「間違っていた」。

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