ようやく日本でも世界標準の「記者会見」がスタートしようとしている。

 それは、「自由報道協会」、筆者が代表(暫定)を務める非営利組織、その任意団体(現在)の運営する「記者会見」のことである。

 こう書くと、読者の多くが「なんと独善的な」、「自画自賛に過ぎる」と思うに違いない。

 あるいはまた、「では、テレビや新聞で知るあの記者会見は、記者会見ではないのか」という疑問をもたれるかもしれない。

 それも当然だ。日本に生まれ、日本に育った者ならば、あの不思議な「記者会見」を本物の「記者会見」だと信じ込まされているからだ。

これまでの政府記者会見は
“記者会見ごっこ”だった

 だが、実際のところ、これまで日本政府が開いてきたすべての記者会見は、記者会見のようであって記者会見ではない。それは記者会見ごっこにすぎない。

 日本では、記者クラブという世界に類をみない旧態依然とした組織(任意団体)は、政府の情報を一方的に独占し、新聞・テレビなどの一部のメディアだけが己の特権を守るため、排他的な運用をし続けてきた。

 日本で「記者会見」と呼んでいるそれは、実は、世界からみれば「記者会見」に当たらない。

 そう、みなさんがこの半世紀もの間、記者会見だと信じてきたのは、世界のジャーナリズムのルールでいえば、単なる「懇談」にすぎないのである。