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情報戦の裏側

カジノ利権を警察が狙う、天下り先激減で

窪田順生 [ノンフィクションライター]
【第8回】 2017年1月12日
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新年早々、カジノ関連で「政治的意図」がぷんぷん臭う記事が出た。暴力団が暗躍するとして、警察当局が警戒を強めているというニュースだ。しかし、周辺事情を丹念に読み解けば、実はOBの天下り先不足に困っている警察がカジノを“活用”しようとしているのではないか、と考えられる。(ノンフィクションライター 窪田順生)

警察の「政治的意図」が臭う
新年早々に出た記事

競輪とオートレースは経産省、競艇は国交省、競馬は農水省、TOTOは文科省で宝くじは総務省が所管、そしてパチンコは風営法のもとで警察が指導・管理――「ギャンブル=お上の利権」という構図は日本では当たり前だが、海外に目を転じればカジノ運営は相当に厳格なルールで行われており、どこかの役所が権限を掌握して天下り先を確保できるような代物ではない。当然、日本のカジノでも同様の仕組みづくりを前提として議論が進められているのだが…

 昨年、本連載の記事『マスコミがカジノ解禁法案で犯した情報操作の罪深さ』で、IR推進法が成立したことでさまざまな形での「情報戦」が激化していくだろうと予想をしたが、さっそくその口火が切って落とされたようだ。

 《カジノ解禁「新たなシノギ」 暴力団手ぐすね…周辺職参入、貸金業、資金洗浄》(産経ニュース1月9日)

 ヤフートピックスに載っていたのでお読みになった方も多いと思うが、要するに暴力団がカジノや、その周辺産業に参入しようと虎視眈々と目論んでいるため、警察当局が警戒し、暴力団排除の仕組みの検討を始めているという記事だ。

 これのどこが「情報戦」なのだ、我々の安全を守る警察官のみなさんの頑張りを国民に教えてくれる立派なニュースじゃないか、というお叱りの声が聞こえてきそうだが、記事に登場する警察官僚の方たちの発言をかみしめていただくと、そこには胸焼けしそうなほどこってりとした「政治的意図」が込められていることがわかる。

 まず代表的なのは、「捜査幹部」なる人物の、「時間はまだある。骨抜きにされないような対策を十分練れば、暴力団の介入は防げるはずだ」という発言と、昨年12月15日に坂口正芳警察庁長官が記者会見で述べた「暴力団排除や風俗環境の保持などの対策を検討する必要がある」という発言だ。

 この2つの発言を耳にして、このような印象を抱く方が多いのではないだろうか。

 “ああ、カジノが解禁されたら、そこに反社会勢力が入り込まないように目を光らせるのは、やっぱり警察の役目なんだなあ”

 だが、これは完全なミスリードだ。近く策定されるIR実施法のなかでは、「カジノ」の規制は、警察組織が主導権を握れるようなものになっていない。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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