「働き方改革」は総務の働き方を改革しなければ進まない

 安倍内閣の最大のチャレンジと言われる働き方改革。働き方改革はワークスタイルとワークプレイスの両輪で改革すべきだと言われる。ワークプレイス改革は、いわずもがなの「働く場」の改革。それはオフィスのみならず、サテライトオフィス、在宅勤務の導入まで及ぶ。その主役、仕掛け人となるのが、総務部である。

 ワークプレイス改革は、総務の“オーナー”である経営の意向をくみ取り、総務のユーザーである従業員の課題にも目を向け、全社を巻き込み、その必要性を全社的観点で説いていかないと成功は覚束ない。結構パワーが掛かる。投資金額もさることながら、総務部の人的リソースもそれなりに必要となってくる。

 果たして、目の前の仕事に忙殺されている現状の総務部で、そのリソースを確保できるのか?

 働き方改革の両輪の一つであるワークプレイス改革は、その主役である総務部自らが、率先して働き方改革をしていかなければ、全社の働き方改革を実現することは難しい。

 だからこそ、人から頼まれてする仕事の多い総務部としては、目の前の仕事のスリム化が必要ではないだろうか。

 そのためにも、

 「そもそも、この仕事、やる必要があるのだろうか?」
 「そもそも、この仕事、ここまでやる必要があるのだろうか?」
 「そもそも、この仕事、この方法がベストな方法なのだろうか?」

 といった視点が必要になる。

 そこで、総務の働き方改革を実現する一つの視点が「ゼロベース思考」だ。人は変化を嫌うものである。昔からやっているから、そのように教わったから、この方が楽だから。漫然とやっている仕事が存在してしまう。そのような仕事を見直すことから総務の働き方改革は始まる。