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中国、農地「転用」緩和の大変革で何が起こるか

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2017年1月19日
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中国では土地管理法の改正で、農地転用に対する厳格な制限が、少しだけ緩和されそうだ。日本ではほとんど注目されていないが、この改革は中国の土地政策に、大きな変化をもたらす可能性がある。(在北京ジャーナリスト 陳言)

中国の農地は、簡単には宅地に転用できず、都市部の土地のように市場取引もできない

 中国の「土地バブル」が叫ばれるようになって久しい。ほぼすべての都市で、見かけるのは高層ビルばかりで、二階建てや三階建ての建物はほとんど見ない。

 あれほど広大な国土を持ちながら、なぜ住宅用の土地が足りないのか。農地を宅地にすればいいではないかと思うだろうが、そう簡単にはいかない。農地も足りないからだ。13億の民を食わせるためには、どうしても18億畝(1.2億ヘクタール)の土地が必要であり、農業用地は簡単に宅地に転換できないこととなっている。また、そもそも農村の土地は、都市部の土地とは所有権の形態が異なる上、市場で取引することもできない。

 しかし、その土地転用に対する厳格な制限が、少しだけ緩和されそうだ。新華社は2016年12月25日、次のように報じた。同日に開かれる第12回全国人民代表大会(全人代)常務委員会の立法計画に土地管理法改正が盛り込まれ、「農村の土地と国有地は、都市部の土地と同等の市場参入、同価同権ではあり得ないという問題が解決される見通し」と。

 この改革は中国の土地政策に、大きな変化をもたらすことになるだろう。

収用補償額と土地譲渡金額の
巨額の差額がもたらす矛盾

 中国の土地は国家所有と集団所有の2種類に分けられる。農村の土地は農民の集団所有である。中国の都市化の急速な進展に伴って、過去30年余の間に、農村の「土地収用」はほぼ毎日、全国各地で大量に起こってきたが、この土地収用とは、元来、「農民の集団所有だった土地を国有地として収用する行為」を指している。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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