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China Report 中国は今

未だ不動産バブルの中国で、誰も固定資産税を納めていない理由

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第222回】 2016年12月2日
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“1億円化”する上海の内環状線内の住宅

上海中心部は
1億円マンションだらけ

 日本人の間では「終わったはずの中国不動産バブル」だったが、実はその後も過熱を続けていた。今年に入り北京や上海などの沿海部の大都市で住宅価格がさらに上昇し、“住宅投機家”らは空前の利益をむさぼっている。

 上海市の古北新区の住宅価格を定点観測する筆者だが、さすがにこの秋の上昇には驚いた。同区の2LDK中古マンションは、2015年9月に480万元(1元=約15円、約7200万円)の値段をつけていたのだが、今年9月には850万元(約1億2750万円)と、たった1年で77%も上昇してしまったのだ(何を隠そう、ここは筆者がかつて賃貸で借りて住んでいた住宅であり、不動産業者から何度も購入を勧められたこともあったため、悔し涙を飲んでいることは言うまでもない…)。

 上海市の内環状線の内側では、いまや“1億円の中古マンション”が溢れ返るほどある。街の不動産屋の窓ガラスに貼られた新規供給マンションは、総額600万元を超えるものばかりになった。

 ちなみに、「上海市の内環状線」といえば、「山手線圏内」に匹敵するとも言われている。この上海における住宅バブルの状況を「山手線圏内のマンションが築年数の長短を問わず、そのほとんどが“1億円化している”」と説明すれば、その異常事態のほどがお分かりいただけるだろう。

 実際、筆者の友人も今年、2年前に購入した住宅を売却し、日本円換算で数千万円の利益を出したという。冒頭で述べたように、日本では「中国の住宅バブルは2014年で終了」したことになっているので、こうした話を聞くと「え、そうなの!?」とわが耳を疑うことになる。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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