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中国の不動産価格暴騰はもはや「治安維持問題」の域に

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2016年10月27日
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中国政府は高騰を続ける不動産価格のコントロールに乗り出しているが、それは犯罪行為の摘発なども含め、政治問題となっている。一方、価格高騰を生み出している経済的な3つの要因には放置されたままだ。

重慶のビル群。不動産価格高騰の抑制と経済成長を両立させるヒントが隠れているかもしれない

 中国の不動産バブルについては、日本でもたいへん関心が高い。

 「昨年の価格と比べて、今は5割も高くなっている。もう仕事をするなんでばかばかしい」と、深セン衛星テレビ局で打ち合わせをしていると、地元のジャーナリストが深センの不動産価格について、こう漏らした。

 「“階層”はすでに相当に固定化されているのではないか。住宅を持っている人は、よほどのことがなければ永遠に豊かだが、一方でこれから農村や地方から都市に出てくる人は、たとえ高い給料をもらっても、もう北京や上海、深センでは、一生住宅を買えないのではないか」と、共産党系新聞『人民日報』傘下のある新聞社の副社長は不満をこぼす。普通の人よりはるかに収入が高いが、そんな地位にある人でも、北京郊外で住宅を買おうとしても、いまではほぼ無理である。

 住宅問題さえなければ中国の市民はもっと消費におカネを回せるし、社会の安定も維持される。このあまりにも高い住宅問題を解決するには、普通の政策ではすでに対応できなくなっており、不動産をめぐる犯罪摘発にまで政策が発展しているという点で、最近では重要な政治問題にまでなっている。しかし、それでも効果は見えてこない。

住宅高騰は国の安保に関わる
中央の指導者が自ら指示を出す

 北京から深セン、南京から東莞まで、20都市の政府要員が数日間不眠不休で作業し、不動産購入・賃貸制限政策を相次いで発表した。

 政策決定者たちは、住宅価格が異様なほど高くなったという現象は、もはや「国の安全保障問題に関わるまでになっている」と認識しているようだ。下記のニュースの数々を見れば、それが分かるだろう。

 先月の9月8日、上海市警察は、不動産市場に関するデマを拡散した容疑者7人を逮捕し、上海市ネットワーク情報事務室は、微信(Wechat)の5つの公式アカウントを閉鎖した。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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