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非常時こそ問われるスポーツの存在意義。選手や関係者、ファンができることは何か

相沢光一 [スポーツライター]
【144回】 2011年3月15日
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 当たり前のことではあるが、スポーツは平時でなければ成り立たないものだということを今、思い知らされている。

 千年に一度といわれる巨大地震が東日本を襲ったのは3月11日午後。以来、テレビでは途切れることなく地震のニュースが報じられているが、そこで明らかになる事実、とくに町を飲みこむ津波の映像や増え続ける死者・行方不明者数は想像を絶するものだ。

 被災者も家を失っただけでなく肉親や知人を亡くした方、安否が不明という方が多い。そのつらい心情を想像すると、こちらも切なくなってくる。今も多くの人が孤立し救難を待っているし、30万人を超える人が避難所での不自由な暮らしを強いられているという。首都圏は14日から輪番停電になるが、この程度の不自由は我慢するしかない。

競技施設にも被害
東北出身選手の心には大きな痛手

 今後の日本の行方にも影響を与えかねない歴史に残る大災害。こんな非常時にスポーツどころではないということで、先週末に予定されていたスポーツイベントが軒並み中止および延期になった。サッカーはJリーグとJFL、プロ野球オープン戦、名古屋国際女子マラソン、女子プロゴルフツアー第2戦PRGRレディス、バレーボールの男女プレミアリーグとチャレンジリーグ、バスケットボールbjリーグ、ハンドボール日本リーグ男女プレーオフ決勝、アイスホッケーアジアリーグプレイオフ決勝、そして中央競馬をはじめとする公営競技などだ。この中止・延期は妥当な判断である。

 中止の理由として大きかったのは「こんな時に娯楽はまずい」ということだが、試合会場が地震によって使えなくなったケースもあった。千葉ロッテの本拠地QVCマリンフィールドの周囲は液状化や地盤沈下があったというし、J1鹿島のホーム・カシマスタジアムの階段が崩れるなど数ヵ所の競技場が破損した。

 また大きな被害を出した東北を本拠地とするチームの選手はとても試合をする気にはなれないだろう。たとえば仙台がホームの東北楽天、ベガルタ、bjの89ERSなどである。東北(の学校)出身の選手も被災地に家族や友人がたくさんいるわけで、プレーに集中できる精神状態ではないはずだ。シーズンのスケジュールを大幅に変えるわけにはいかないにせよ、事態が落ち着くまで中止するのもやむを得ない。それほど大きな災害だった。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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