ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
変化し続ける街 知られざる深セン

8000人の画家が住む深センの絵画村が年700億円を稼ぐ理由

高須正和 [チームラボMake部]
【第2回】 2017年1月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

深センの中心部からほど近い「大芬油画村」(Dafen Oil Painting Village)は、8000人の画家が集まった絵画の村だ。ホテルの受付や部屋などに飾られる複製画の60%がこの大芬で「生産」されているが、近年はオリジナル絵画を中心に年間700億円の売り上げを生み、新しい画家がデビューする街でもある。世界の工場深センのそばに、なぜ絵画の村ができたのか。大芬の街を紹介する。(チームラボMake部 高須正和)

路地では画工が絵筆を握り、絵の具のにおいで満ちている

8000人の画家が住む街
大芬(ダーフェン)油画村

 深センの中心部から電車で小一時間行ったところに、「大芬(ダーフェン)油画村」という場所がある。昔は実際に村だったのだろうが、今は完全に拡大した深セン市街地に飲み込まれている。駅を降りたら案内の看板があり、訪ねるのは難しくない。

 0.4平方キロという、東京ディズニーランドより狭い面積の中に1100の画廊と8000人の画家が住む。あらゆる路地で画工が絵筆を握って作業していて、街は絵の具のにおいで満ちている(写真1~4)。

 1980年代、黄江という香港の画商が少数の職人と共に、ここに工房を開き、急成長する香港、深センの各地に向けて複製画を売り始めた。ホテルもレストランも絵を必要とする。ダ・ヴィンチのモナリザやゴッホのひまわりのような「みんなが知っている絵」の複製をホテルは必要とする。それも、印刷ではなくて絵の具の盛り上がりが見える複製画の方が重宝される。

 大芬の複製画は世界中にも輸出され、現在も世界の複製画の60%は大芬で「生産」されている。

 「複製画の聖地」として注目された大芬も、深センの街の変化につれて別の顔を見せている。もちろん今も多くの複製画が描かれている。だが、大芬油画村の公式サイトによると、中国の所得が上がった今も、大芬の絵画は年100万枚以上「製造」され、2015年時点で42.5億元(約700億円)以上の売り上げを上げている。半分ほどは海外に輸出されるそうだ。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高須正和 [チームラボMake部]

無駄に元気な、チームラボMake部の発起人。チームラボ/ニコニコ学会β/ニコニコ技術部などで活動をしています。日本のDIYカルチャーを海外に伝える『ニコ技輸出プロジェクト』を行っています。日本と世界のMakerムーブメントをつなげることに関心があります。現在シンガポール在住。MakerFaire 深圳(中国)、MakerFaire シンガポールの実行委員。 連載、著書「メイカーズのエコシステム」など Twitter:@tks

 


変化し続ける街 知られざる深セン

わずか30年足らずで、人口が30万人から1400万人に増加するなど、人類の歴史上比類のないスピードで発展した深セン。世界の工場として知られたこの場所は、今も中国全土から若者が集まり、65歳以上の高齢者は2%しかいない。爆発的な発展が続く都市・深センの真の姿を、チームラボMake部の発起人で、深センで行われているDIYの祭典「メイカーフェア深セン」の運営委員を務める高須正和氏がレポートする。

「変化し続ける街 知られざる深セン」

⇒バックナンバー一覧