セ・リーグの開幕をいつにするかの問題でゴタゴタが続いている。

 3月11日に東北関東大震災が発生して以降、予定されていたスポーツイベントが軒並み中止になった。津波に襲われた多くの町が壊滅。犠牲者は日を追うごとに増え、避難所では多くの人たちが厳しい生活を強いられている。未曽有の大災害に「とてもスポーツどころではない」というわけだ。

 3月5日に開幕していたJリーグは早々に3月中の試合中止を決定。4月23日に再開することを目途にスケジュール調整に入った。プロ野球のパ・リーグも被災地仙台を本拠地にする東北楽天が所属していることもあり、開幕を2週半ほど後ろにズラし4月12日からとした。

たった4日の延期でお茶を濁す
セ・リーグの姿勢を巡って事態紛糾

 そんな中、セ・リーグは予定通り3月25日の開幕を決定する。これに「プロ野球は(セ・パともに)歩調を合わせるべき」と考えていた選手会が猛反発した。震災の影響で電力事情がひっ迫し計画停電が行われている首都圏で、大量の電力が消費される試合をするなどもっての外だと、世間からも批判の声が噴出。それに押されるようにセ・リーグは開幕を29日に延期し、延長戦は行わないなど節電に努めることを明示した。

 しかし延期するといってもたった4日。まず開幕ありき、という姿勢は崩さず「一応みなさんの意見を酌みました」という決定に、世間も選手会も納得せず、紛糾が続いているのだ。

 セ・リーグ各球団、とくに主導する巨人が早期開幕を強行しようとする理由をまとめると次のようなものになる。

「苦しい時にこそ必死にプレーする姿を見せ、復興のための活力を与えるのが我々の使命。野球を通じた経済活動を行うことにより義援金を届けることもできるし、それが一日も早い被災地の復興につながる」