――日本の近隣を見ると、北朝鮮や中国のような非民主主義国家がある。北朝鮮は典型的な独裁政権国家だが、中国は経済的自由を与えながら、政治的には自由を束縛するという方法を用いている。こうした国は、民主化運動を成功させるのが難しいタイプと見るか。

 そうとも言えるだろう。だが、中国の政権は「人民パワー」の広まりに苦慮していることは確かだ。天安門事件が起こった時、私はちょうどその場に居合わせたが、それがよくわかった。天安門事件では、学生側の運動がうまく計画されておらず、効果的な非暴力主義運動にすることができなかった。

 非暴力主義的運動を成功させるのに重要なのは、次の3つの知識だ。

 現状と敵、社会を深く把握すること、非協力と非服従のテクニックと行動手段を熟知すること、相手が暴力的な手段に出ることも考慮して、戦略的に考え計画することだ。

 ちなみに、われわれの研究所のウェブサイトにある『自己解放(Self Liberation):戦略的立案と独裁政権打倒へのガイド』というリンクから、その内容をダウンロードできる。

――日本は、世界に例を見ない平和憲法を持ち、他国に攻撃をしかけないことを誓っている。だが、実際に北朝鮮や中国、ロシアに対する抑止力となっているのは、アメリカとの安保条約だ。

 問題に直面した際には、その問題自体をよく理解し、それがさらに深刻化するのを防がなければならないということだ。だが、日本には自衛隊法があり、軍事力もあるので、もし問題が現実のものとなった場合には、防衛のために自衛隊を投入できる。非暴力主義は、自己防衛をしないということではない。言葉だけでは何も達成できない。要は、何を成すことができるかだ。

――つまり、自己防衛のために軍事力を使うのは、あなたの唱える非暴力主義から外れないということか。