ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

「クロネコヤマト」を全ての中国人に浸透させる!
中国でも勢力を伸ばすヤマトHD“合弁経営”の強み

――ヤマト(中国)運輸有限公司の野田 実・董事兼会長に聞く

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第44回】 2011年3月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

日本でお馴染みの「クロネコヤマトの宅急便」が、海を渡って中国でも勢力を拡大している。彼らは中国でも、「宅配ビジネスの雄」となることができるのか? 現地合弁会社の責任者に、中国市場の現状と現地戦略の要諦を聞いた。

ヤマトホールディングスの中国合弁企業・ヤマト(中国)運輸有限公司で董事兼会長を務める野田実氏。

――ヤマトホールディングスが宅急便事業を中国で始めた経緯を教えてください。

 ヤマトホールディングスのグローバル戦略「アジアに宅急便事業を展開する」の一環として、上海でも、2010年1月に宅急便事業をスタートしました。上海と同時期にスタートしたシンガポールの他、2011年2月からは香港でも宅急便事業を始めました。

 上海で宅急便事業を展開するヤマト(中国)運輸有限公司は、日本のヤマト運輸が65%を出資し、上海巴士物流と合弁で設立した会社です。残り35%はもともと上海巴士物流の株主だった上海金剛投資有限公司(上海の物流企業向け投資会社)と上海久事公司(上海市100%出資する総合投資会社)が半分ずつ出資しています。

――今のところ、中国における宅急便事業の展開エリアは上海のみですか?

 現在、自社の配送ネットワークを整備して配達しているのは、上海と香港のみです。ただ上海市は、崇明島まで含めた上海市全域をカバーしており、全部で6300k㎡の広さ(群馬県と同じ)があります。また1日当たりの取り扱い量は、多いときで1万個に上るほど急激に増えています。

――上海では、宅急便のトラックの台数に規制があると聞きましたが。

 上海では、「BHナンバー」をつけた商用トラックのみが内環状線の内側(市中心部)に入ることを許されています。そして、そのBHナンバーの取得は許可制となっており、新しいBHナンバーの許可は、なかなか降りないと言われています。

 ヤマト(中国)運輸有限公司は、合弁会社設立時に新たに210台のBHナンバーを取得し、現在は130台のトラックが稼働しています。トラック以外に、電動自転車も70台程度使って配達しています。

――法人需要と個人需要では、どちらが多いですか?

 現在は、通信販売を中心としたB2C需要が8~9割を占めます。もともと中国には、C2Cの宅配市場はほとんどありません。中国では日本のように、お中元、お歳暮、誕生日のプレゼント、バレンタインデーのチョコレートといった贈り物を宅急便でやりとりする習慣がありません。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

世界経済の牽引役として注目を浴びる中国に進出する日本企業は、後を絶たない。だが、両国の間に横たわる「ビジネスの壁」は想像以上に厚い。今や「世界一シビアな経済大国」となった中国で日本企業が成功するためのノウハウを、現地コンサルタントが徹底指南する。

「日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男」

⇒バックナンバー一覧