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10年後、君に仕事はあるのか?
【第10回】 2017年3月16日
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藤原和博

いつも「思考停止」している人がやっている習慣

AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。本連載では、藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』の内容をもとに、「高校生に語りかける形式」で2020年代の近未来の姿や、未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方などをお伝えしていく。連載第10回、テーマは「思考停止している人」。

思考を投げ出している人たち

 DIY(Do It Yourself)ブームに火をつけた東急ハンズのようなお店で、最近こんな現象が起こっているそうです。

 手作りを楽しむための道具やパーツを提供するはずのDIYの店に、なんと完成品である「正解」を求めてくるお客さんが増えたというのです。

 たとえば、昔は自転車を趣味とする人たちは、フレームやギア、サドル、ハンドル、タイヤ、ブレーキなどのパーツを買ってきて、自分オリジナルの自転車を組み上げようとしました。自分の自転車を世界にたった1つしかないオンリーワンにするためです。そのためにはスーパーで売っているようなママチャリでは無理。数万、数十万円と投資がエスカレートしていって、最高の技術を編集しようとするファンが店に詰め掛けたのです。

 ところが最近は、店主が組み上げた自転車を壁に吊るしておくと、これと同じものをくださいというお客さんが増えてきたんだそうです。完成品を買うという感覚なんですね。これでは、スーパーやディスカウントストアで冷蔵庫や洗濯機を買うのと同じです。

 パーツが増えすぎて選ぶのが面倒になり、カリスマ店主が「これがベスト!」というやつでいいやと、マニアでさえも諦めているのかもしれません。

 たしかに、世の中が成熟するにつれて、思考停止して「その分野のカリスマやブロガー、あるいはテレビの通販番組が薦める完成品を買う」というパターンが多くなってきているようにも感じます。

時代の流れとしては思考力・判断力が大事になってきているんだけれども、思考するには情報が大量すぎるし、判断プロセスも複雑すぎて、多くの人が投げ出しちゃっているんでしょうか。

 レストラン選びでも、そんなことが起こっています。「食べログ」や『ミシュランガイド』を見てレストランを選んでいる人が最近は多いですよね。彼らは自分の判断でお店を選んでいるように感じているでしょう。ですが、じつは他人の評価で動かされているだけという面がある。つまり、仕掛けられているんです。

 会社選びでも、同じ現象が起こっているようです。

 情報が増えすぎてわからない。社会そのものが複雑になりすぎて判断できない。だから、思考を停止して、少しでも名の知れたところに、自分の大学のレベルだとこのへんの会社だろうなという順に会社回りをしている。うちの大学だったら、この業界の3位か4位くらいが適当だろうと、そこで思考が止まってしまっている。

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藤原和博(ふじはら かずひろ)

教育改革実践家。奈良市立一条高等学校校長。元リクルート社フェロー。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務める。2008年~2011年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016年、奈良市立一条高等学校校長に就任。 『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(いずれも、筑摩書房)など人生の教科書シリーズ、『35歳の教科書』(幻冬舎)、『坂の上の坂』(ポプラ社)、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)など著書多数。

 


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近い将来、AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。そんな時代に必要とされるのが、「雇われる力」(エンプロイアビリティ)だ。 本連載では、教育改革実践家である藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』(ダイヤモンド社)の内容をもとに、2020年代の近未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方をお伝えする。若手ビジネスパーソンや中高生の子どもを持つ保護者には、ぜひ一読していただきたい内容だ。

「10年後、君に仕事はあるのか?」

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