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10年後、君に仕事はあるのか?
【第6回】 2017年2月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤原和博

便利な社会で「不便さ」を経験することが、10年後、子どもの財産になる

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AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。そんな時代に向けて必要な「子育て」とは何か?教育改革実践家・藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』の内容から、子育てにおける「予測不能な状況を経験させること」の重要性を解説する連載第6回。

海外を経験させる

 経済的に余裕があればですが、一度日本を外から見せるべきです。もちろん、自分でバイトして稼いだお金で、ひとり旅か留学を経験するのがベストです。

 ハワイにバカンスに行くというのではなく、語学留学・ホームステイ・寮生活など、不便や不都合にあふれていて苦労してコミュニケーションしないと切り抜けられないような経験がたくさんできるほうがいい。その体験が子どもを鍛えます。

 もちろん、国内留学もありだと思います。アスリートの世界では、よくそのスポーツの良き指導者を求めて、故郷から遠く離れた名門校に通わせるようなことをする。孟母三遷と言いますが、下宿生活や寮生活も子どもを鍛えるでしょう。

 海外のケースでも、短期なら1~2週間より1~2ヵ月、長期なら1年より2年の留学を勧めます。期間が短いと「お客さん」で終わってしまい、良い経験しかしないで帰ってこられるから。部屋に問題があったり、大事なものが届かなかったり、盗まれたり、言葉が通じないために勘違いされたり……小さな事件に遭遇してたくさん対処した経験が大切なんです。それが、子どもの自己肯定感と他者からの信頼の核にもなります。ようは、タフな経験を積み上げるしかない。

 また、留学の場合は、長ければ長いほど、現地の外国人から日本のことを聞かれますから、日本についてもっと勉強しなければという気にもなります。日本の良さ、田園風景や山河の美しさ、食べ物の多様さと美味しさ。そして、日本という国の文化や伝統を再発見することにもつながるでしょう。

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藤原和博(ふじはら かずひろ)

教育改革実践家。奈良市立一条高等学校校長。元リクルート社フェロー。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務める。2008年~2011年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016年、奈良市立一条高等学校校長に就任。 『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(いずれも、筑摩書房)など人生の教科書シリーズ、『35歳の教科書』(幻冬舎)、『坂の上の坂』(ポプラ社)、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)など著書多数。

 


10年後、君に仕事はあるのか?

近い将来、AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。そんな時代に必要とされるのが、「雇われる力」(エンプロイアビリティ)だ。 本連載では、教育改革実践家である藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』(ダイヤモンド社)の内容をもとに、2020年代の近未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方をお伝えする。若手ビジネスパーソンや中高生の子どもを持つ保護者には、ぜひ一読していただきたい内容だ。

「10年後、君に仕事はあるのか?」

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