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経済は地理から学べ!
【第8回】 2017年3月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
宮路秀作 [代々木ゼミナール・Y‐SAPIX東大館地理講師]

”移民活用”で経済成長!
「北欧のシリコンバレー」とは?

「経済×地理」で、ニュースの“本質”が見えてくる!仕事に効く「教養としての地理」

地理とは、農業や工業、貿易、交通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問です。

地理なくして、経済を語ることはできません。

最新刊『経済は地理から学べ!』の著者、宮路秀作氏に語ってもらいます。

労働力不足に悩む、北ヨーロッパ諸国

 国としてGDPを高める方法は、「人口を増やす」、もしくは「国民1人当たりGDPを高める」です。

 しかし人口は急激に増えませんので、国民1人当たりGDPを高めるほうが現実的です。例えば、スイスやベルギー、デンマークなどの人口小国では医療に力を入れており、3ヵ国の輸出統計の上位には「医薬品」が登場します。

 ところで北ヨーロッパには、世界的に見ても人口が少ない国が多くあります。

 北ヨーロッパといえば一般的に、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの5ヵ国を指します。広義の「北ヨーロッパ」は、これにエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国を含めた8ヵ国を指します。

 アイスランド33万人、デンマーク570万人、ノルウェー521万人、スウェーデン988万人、フィンランド549万人、エストニア131万人、ラトビア214万人、リトアニア292万人です。

 これは国内市場が小さいことを意味します。そのため、内需(国内需要)よりも外需(国外需要)を優先しています。

 国際競争力を高めるために、GDPに占める研究開発支出の割合が高く、知識集約型の先端技術産業の発展に力を入れています。

 また、年少人口割合が17.3%、老年人口割合が20%に迫る勢い(19.9%)で少子高齢化が進んでいます。

 労働力不足は国の経済成長にとってマイナス要因です。そのため、1人当たりの生産性を高める必要があります。

 人口が少ないということは、産業構造の転換スピードが速く、それに合わせて就業機会の構造が変化します。1970年代には製造業のシェアが高かったのですが、1990年代からは先端技術産業に従事する労働者を増やしました。

「北欧のシリコンバレー」とは?

 シスタという街があります。シスタはスウェーデンの首都、ストックホルムの中心部から地下鉄で15分の場所にあり、元々は軍用地でした。1970年代より企業の進出が始まり、通信機器メーカーのエリクソンはITとラジオの研究開発を始めました。

 1988年になると、エリクソンは第2世代移動通信システムであるGSM(Global System for Mobile Communications )を開発しました。GSMは世界の多くの国で使用されていて、実質的に無線通信方式の世界標準技術となっています。

 エリクソンは一時期、携帯電話端末の製造も手がけていましたが、隣国フィンランドのノキアとのシェア争いから撤退し、通信事業に特化しています。

 エリクソンだけでなく、IBMやマイクロソフトなどもシスタに北欧事業の拠点を構え、スウェーデン王立工科大学やストックホルム大学の研究機関も進出しています。シスタが「北欧のシリコンバレー」と呼ばれる所以です。

 これらの理由により、スウェーデンの移民は、いわゆる「高度人材」と呼ばれる人たちが非常に多いことで知られています。

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 宮路秀作(みやじ・しゅうさく) [代々木ゼミナール・Y‐SAPIX東大館地理講師]

 「東大地理、センター地理」などの講座を担当する実力派。
 一部の講師しか担当できないオリジナル講座を任され、 これらは全国の代々木ゼミナール各校舎・サテライン予備校にて サテライン放映(衛星通信を利用して配信)されている。「地理」を通して、現代世界の「なぜ?」「どうして?」を解き明かす講義は、9割以上の生徒から「地理を学んでよかった! 」と大好評。
 講義の指針は、「地理とは、地球上の理(ことわり)である」。代ゼミ講師2年目から模試の作成にも携わり、2011年からは東大プレの担当も任されている。開設講座のほとんどがサテライン放映されており、また高校教員向け講座「教員研修セミナー」の講師を担当するなど、「代ゼミの地理の顔」となる。生徒アンケートは、代ゼミ講師1年目の2008年度から全国1位を獲得し続けている。 東京、名古屋、札幌、新潟と、全国の校舎で教壇に立つ。代ゼミ新潟校・名古屋校で開講された自身初のオリジナル講義は、100人教室が初年度から満席。翌年からサテライン放映講座となる。対面授業、サテライン授業あわせて、1週間で2000人以上の生徒を指導している。


経済は地理から学べ!

地理がわかれば、経済ニュースがもっとわかる! 仕事に効く「教養としての地理」。
「東大地理」を担当する“現役"予備校講師が教えるから、面白くて、わかりやすい!
地理とは、地形や気候といった自然環境を学ぶだけの学問ではありません。
農業や工業、貿易、流通、人口、宗教、言語にいたるまで、
現代世界で目にする「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問なのです。
地理という“レンズ"を通せば、人間の経済活動により深い解釈を加えることができます。

「経済は地理から学べ!」

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