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ポスト3.11の論点 日本と日本人の選択肢

震災を機に日本型サプライチェーンの進化を急げ
企業は「匠の技」に依存した業務プロセスから脱却せよ
――藤野直明・野村総研 主席コンサルタントに聞く

【第8回】 2011年4月25日
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東日本大震災により、日本企業は大きな痛手を被った。福島原発事故による電力の供給不足もさることながら、深刻なのはサプライチェーンの混乱だ。自動車、電機、流通など、あらゆる業界でサプライチェーンが寸断された結果、製品やサービスの生産・供給が滞っている。事態は、震災から1ヵ月以上を経ても、大きく改善される気配がない。日本企業が誇るサプライチェーンは、どんな脆さを抱えていたのか。野村総合研究所の藤野直明・主席コンサルタントが、これまで語られなかった日本型サプライチェーン・マネジメントの盲点と改善点を説く。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)

震災後の「不可逆現象」を防げるか?
ハイテク産業が集積する東北地方の重要性

ふじの・なおあき/野村総合研究所 主席コンサルタント、ビジネスイノベーション事業部長。1962年生まれ。早稲田大学理工学部物理学科卒、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程(情報技術社会相関部門)単位取得。86年野村総合研究所入所。ロジスティックスを中心に、民間企業、政府機関、運輸省、通産省などの調査研究に携わる。繊維産業審議会 基本政策小委員会委員、総務省「国際競争力回復のための企業IT化調査委員会」委員、国土交通省「港湾SCM研究会」委員などを歴任。現在、幅広い分野でSCM革新コンサルテーション業務に従事。

――東日本大震災により、日本企業は大きな痛手を被った。福島原発事故による電力の供給不足もさることながら、深刻なのはサプライチェーンの混乱だ。組立加工業においては、東北地方の部品・素材メーカーが被災し、原材料の調達が滞ったため、製品の生産がままならない自動車・電機メーカーが続出している。また流通業界においても、被災した卸売業者から小売店に十分な商品が供給されず、各地の店頭で品薄状態が続いている。サプライチェーンの混乱が日本経済に与える影響をどう分析するか。

 まず第一の論点として、地域産業の視点から見ると、東日本大震災が及ぼす影響は決して楽観できない。単一企業ではなく、政策的な措置が極めて重要と考える。この点は、藤田昌久・京都大学名誉教授がすでに指摘されている。(日本経済新聞2011年3月30日)

 震災後の報道により、東北がハイテク産業の集積地になっていたことを初めて知った人も多いのではなかろうか。1990年代半ば以降、仙台を中心とする東北地方の工場立地や出荷額は拡大してきた。また、東北に立地する企業の出荷額を見ると、とりわけ伸びているのは半導体、電機、自動車部品関連といったいわゆるハイテク産業だ。

 産業集積には、集積が集積を呼ぶ分岐点、しきい値となるポイントが存在する。いわゆる「クリティカル・マス」だ。部品メーカーとアセンブリメーカーが呼応するように進出を始めた結果、東北地方の産業集積は、90年代半ば以降、クリティカル・マスを超えて加速したと考えられる。

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東日本を襲った未曽有の大震災そして原発事故。3月11日を境に、日本人の目の前に広がる世界は大きく変わってしまった。政治経済から企業経営、そして生き方まで、ポスト3.11の論点と選択肢を識者とともに考える。

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