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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

複雑系の世界経済
~日本の地盤沈下と世界の適温経済~
――島本幸治・BNPパリバ証券東京支店 投資調査本部長/チーフストラテジスト

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第20回】 2011年4月27日
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1.円安、ドル安、ユーロ高

 世界経済は複雑に入り組んでいる。日本では1000年に一度の震災が勃発し、その被害が拡大するなか、消費税率の引き上げが画策され始めた。

 米国では連邦債務が法定上限に迫るなかでも、FedはQE2を打ち切る構えである。欧州でもギリシャやポルトガルの財政不安が再燃するなか、ECBは利上げを続ける公算である。そして各国の経済政策が政局と絡んでいるだけに、相場は決め打ちが難しい。

 日米ユーロで最も健全な経済圏はどこか。年初来の為替相場を実効レートで振り返ると、三極通貨で一貫して弱いのがドルである。現在14.3兆ドルに設定されている連邦債務上限の引き上げについて、米政府と議会が合意できなかった場合、理論上はデフォルトに陥るリスクが発生する。また、格付け機関のS&Pは米国債の長期格付けの見通しを「安定的」から「弱含み」に引き下げている。

 逆に、一貫して底堅いのがユーロだ。確かにギリシャでは債務リストラの懸念が高まっているほか、フィンランド議会で反EU政党が躍進したことで、EFSFの機能拡充やポルトガル支援の行方が混沌としてきた。それでもドイツなど中核国の景気は堅調で、財政不安はスペインなど大国に波及せず、二極化で吸収されるようになった。今後は5月16日のユーロ圏財務相会合が注目される。

 注目すべきは実効円である。過去を振り返ると、そもそも変動相場制度が導入されてから円高の傾向が続いており、特に米国の住宅バブルが変調し始めた2007年以降は上昇ピッチが加速した。

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島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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