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増税や子ども手当の見直しになぜ容認論が増えるのか
冷静に考えたい“本当に将来のためになる”復興政策

梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]
2011年5月6日
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東日本大震災から2ヵ月近くたった今、ようやく復興に向けた総額4兆円あまりの第一次補正予算が成立した。今後の焦点は第二次補正予算となるが、いまだ必要な財源のメドは立っていない。復興への機運が高まるなか、世間では「増税やむなし」の声が目に見えて増え始めた。その一方、復興財源の捻出を理由に、民主党の目玉政策だった「子ども手当」の見直しも、いつの間にか決まった。増税もマニフェストの見直しも、以前から必要性が唱えられていたとはいえ、「復興」を理由に負担ばかりが増す状況の変化を、我々はただ見ているだけでよいのだろうか。将来にわたって本当に有効な復興政策を実現するためにも、その背景を改めて考えてみたい。(取材・文/プレスラボ・梅田カズヒコ)

ようやく本格化する復興への取り組み
一般市民からも聞かれる「増税やむなし」の声

 「仕方がないですね。おそらく生活は苦しくなりますが、東日本大震災で被災した人たちのことを思えば、我々もできるだけ協力しないと……。何より、今議論されている増税は、『人助け』のイメージが強いから、反対する人もそれほど多くないのでは。それに、過去の増税のケースを見ても、国民の生活は案外すぐに変化に対応できる気もしますよね」

 こう語るのは、東京都内に住む30代の女性である。

 東北三県(福島、宮城、岩手)を中心に、日本中に未曾有の被害をもたらした東日本大震災。福島原発事故による放射能漏れ不安がいまだ冷めやらぬなか、国民は政府与党に対して「対応が遅い」と不満を募らせている。

 そんな遅々として進まないイメージが強かった「復興」への道筋が、震災から2ヵ月近くたった今、ようやく見え始めた。5月2日、総額4兆円あまりの第一次補正予算が成立したのである。このうち、約1兆2000億円はインフラの復旧に、約3600億円は被災者の仮設住宅に、そして約3500億円は、がれき処理に使用される予定だ。

 今後の焦点は、夏を睨んだ第二次補正予算の成立に向けた動きとなるが、問題はこれらの予算に必要な財源のメドが、まだはっきり立っていないことだ。

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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

ロスジェネ世代(1981年生)の編集・ライター。フリーライター、編集プロダクション勤務を経て2008年より株式会社プレスラボを起ち上げる。著書に『エレベスト』(戎光祥出版)。web上のニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。「GetNavi」(学研)誌上で『コンビニ研究室』連載中。他に「日経トレンディネット」「COBS ONLINE」「R25」「サイゾー」など主にネット媒体で執筆中。起業したのは旺盛な独立心と言うよりも、むしろサラリーマンの職場における煩わしい人間関係から逃げるため。
ツイッター:@umeda_kazuhiko


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