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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

「ビジネスマンよ、休暇を取って
ボランティアに行こう」
金子郁容 慶應義塾大学大学院教授

週刊ダイヤモンド編集部
2011年5月1日
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金子郁容(Ikuyo Kaneko)
慶應義塾大学大学院教授
1994年より現職。内閣府「新しい公共」推進会議座長。主著に『ボランティア』『コミュニティ・ソリューション』(共に岩波書店)など。Photo by Ryuichi Mine

 ボランティアは日本に定着してきたが、それでもまだ関心はあるが、「自分にはたいしたことはできない」と考えてしまう人も多いようだ。

 東日本大震災が残した大きな惨状に立ち尽くし、解決すべき大きな問題に対して個人にできることは「焼け石に水」に見えるかもしれない。しかし、被災者の元に行き、「あなた方に関心を持つ人間がここにいる」と示すだけでも意味がある。人間だからできることで、徒労ではない。

 人間は誰でも、自分が「人の役に立つ」と感じることはうれしく、それは生きている証しでもある。ボランティアは相手のために行うだけのものではない。人を助けようと思ったら、逆に自分が助けられた。ボランティアはしばしばそう感じる。ボランティアは誰かに言われてやるのではないから、つらいこともあるが新しい発見も多い。相手との相互関係のなかで価値を見つける。

 つまり、ボランティアは自分のためでもあり、人のためでもある。

 普通の人は、仕事を通して他人のためになるという実感はなかなか得られないものだ。「誰かのためになにかしたい」のだが、日常の仕事でその思いはなかなかかなえられないのが現実だ。ボランティアでは、それが具体的かつ直接的に感じられる。

 与えることがじつは与えられることだと実感できたら、それは、それまで切り離されていた人びとのあいだになにかしらの「つながり」が成立したことになる。こうした関係性は、社会を多様で豊かなものにする。ボランティアは、絶望を希望に変え、社会を新たな段階に移行させる一つのきっかけになる。

 ボランティアで、人も社会も成長する。このことに企業も気づき始めている。休暇を取ってボランティアをしてきた人が会社に戻り、会社にCSR(社会的責任)活動を提案することもいいだろう。だから、ビジネスマンよ、休暇を取って、思い切ってボランティアに行こう。(談)

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