TAILOR_04
BRIONI

 1945年にローマで創業したブリオーニは、最高級の素材を職人のハンドワークで仕上げる紳士服ブランドだ。軽い素材を使ったエレガントなスーツスタイルは、現在のイタリアスーツの起源ともいえる。

 そんなブリオーニには、スマートビスポークと呼ばれるオーダーシステムがある。既製服をベースに微調整していく、いわゆるパターンオーダーなのだが、すべての工程を職人がハンドメイドで仕上げている。

 そんな丁寧な仕事でも、採寸を行ってイタリアへデータを送ると、約2週間で仮縫いがあがってくる。そこで、実際にお客に着てもらって、微調整して、その後約2カ月で仕上がるというのだから驚きである。

 これは自社工房を持っていて、さらに職人の数も多く、生産が安定しているからこそできることなのだ。

 既製品でもピッタリのサイズで着れる人もいるかもしれないが、エクスクルーシブな生地やボタンを選べてスーツは76万4000円から、ということだ。既製服と価格差がそれほどないので、このオーダーはとても魅力的である。

オーダーは、基本、現行モデルがベースになる。そのなかで、着丈の長さやウエストの絞り、ラペルの太さ、パンツの太さなどを微調整していく。ブリオーニのスーツは、もともと着丈が長い。その“らしさ”を損なわない範囲で修正するのだ。エントリーモデルはスーパー160の生地で51万円から。シャツ、パンツなどのオーダーメイドもおこなっている

【問】ブリオーニ ジャパン TEL:03-3234-0022 東京都中央区銀座6-5-1

TAILOR_05
BERLUTI

 柔らかなベネチアンレザーという革に、さまざまな色を塗り重ねるパティーヌという技法を駆使し、独特の深みのある色の靴を創り出すベルルッティの靴は、見るものを魅了する力を持っている。

色を塗り重ねていくパティーヌは約40色くらいのバリエーションがある。このパティーヌに関しては、カラーリストが日本にもいるので、お店に持っていけば調整は可能である。

 ベルルッティのビスポークシューズは、それぞれの足形に合わせ、250工程もの作業を要する特別なシステムである。カスタマイゼーションによって、独自のスタイルをより際立たせる事が可能になるのだ。通常は、フランスにいるビスポーク職人が来日し、採寸が行われることから始まり、フィッティング、本革を使ってのフィッティング、そして、完成するまでに約10ヶ月を要する。

 カスタマイゼーションでは、オーストリッチ、アリゲーター、鮫などの素材を選ぶことができ、同じ木型から作られていても雰囲気が違うものが出来上がる。

 ベルルッティでは、このビスポークのほかにもパティーヌ、イニシャルのホットスタンピング、タトゥアージュ、スペシャルオーダーなどのレザーのパーソナルサービスを提案している。

ベルルッティでは、靴だけでなく、レザーウエア、シャツ、バッグ、ソファ、テーブルサッカー、チェス、バックギャモンなどライフスタイル系のあらゆるものをオーダーできる。オーダーメイドの靴を製作する場合、まずこのラストが作られる(写真中)。フィッティングの際使われる靴(写真右)。足にピッタリ合うように甲のかさを調整するなど細かい作業を行ない完璧に仕上げていく。

【問】ベルルッティ・インフォメーション・デスク 0120-203-718 東京都中央区銀座5-5-14

TAILOR_06
LORO PIANA

 ロロ・ピアーナのオーダーメイドと聞くと、服好きなら心躍る気分になるのではないだろうか。

ロロ・ピアーナ銀座店2階にある、オーダーのコーナーは、まるで自然光が射しているかのように明るい空間だ。

 なぜなら、ロロ・ピアーナはいわずと知れた世界屈指の服地ブランドだからだ。現在は、アパレル、そして、インテリア部門にも進出し、ライフスタイルをトータルでコーディネイトできるラグジュアリーブランドとなっているので、ともすれば、そちらに注目が行ってしまいがちだが。

 つまりロロ・ピアーナのオーダーということは、ロロ・ピアーナの服地を使ってのオーダーということになる。最高である。

 ロロ・ピアーナのオーダーは、基本的にパターンオーダーだが、アイテムは多岐に渡る。

 まずは、スーツだ。スーツは自分に合ったスーツを試着して採寸が始まる。ラペルの太さやゴージの高さは微調整も可能。そして、シルエットを決めると、あとは生地選びである。

 ここはこのブランドのストロングポイントだ。まずバンチから見えたのはビキューナ。その昔「神々の繊維」といわれ、インカ帝国だけが使用していたとされる、カシミア以上ともいわれる生地である。

 いまではビキューナ自体の頭数が少なく、とても稀少な生地だ。

 ウールの中でもクォリティが高いのはザ・ギフト・オブ・キングス(R)、ゼニス。そして、最高と言われるのがレコードベール。服好きなら、触るどころか、名前を聞くだけで興奮できる生地である。

 レコードベールは、オーストラリア、ニュージーランドのブリーダーで競争してもらって一番細い糸を生み出す羊を飼った人を表彰しており、その優勝羊の糸のことを指す。そして、その糸はスーツを30~40着しか作れない稀少なものなのである。それもそのはず、この服地でつくるスーツは300万円を超えるということだ。

 そんなバンチが見られるのも、ロロ・ピアーナならではだろう。

 そして、ロロ・ピアーナといえば、ニットである。それにカシミアである。今作られているベビーカシミアは、生後12カ月までのヤギの赤ちゃんの毛をすいて、できた綿毛みたいなものを集めて作るカシミアで、驚くほど柔らかい。これにはベスト、カーディガン、タートル、Vネックなどがあり、色も約30種類の中から選ぶことができる。

 ロロ・ピアーナのオーダーシステムにはメイド・トゥ・メジャーとメイド・トゥ・オーダーの2種類がある。まず、メイド・トゥ・オーダーは、サイズだけのオーダーで「この色で48サイズのものを作ってください」というふうになる。サイズの補正はできない。
 また、メイド・トゥ・メジャーになると「この色で48。肩幅を大きく、着丈を長くしましょう」というようなことができるのだ。

 既製品だと詰めていく修正はできるのだが、身長が高い人、太目の人など、丈が短い場合の対応が難しいので、そういう人にはメイド・トゥ・メジャーが向いてる、ということである。

(写真左)ロロ・ピアーナでは、靴のオーダーも可能で、サイズはハーフサイズから。アッパーは豊富なレザーの中から選べるが、ソールは2種類。それにロロ・ピアーナのシューズのほとんどは、名前を入れられるようになっている。ロロ・ピアーナはヨットとの繋がりが深い。艇上では同じようなデッキシューズを脱いで素足になることから、名前を入れる風習がある。そこにインスパイアされている。(写真右上)オーダーは採寸から始まる。(写真下段中)ロロ・ピアーナでは、ネクタイもオーダー可能だ。(写真下段右)柔らかなベビーカシミアを使用したニットは、ベーシックな17型、約30色。

【問】ロロ・ピアーナ 銀座並木通り本店 TEL:03-3572-0303 東京都中央区銀座7-5-5