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王道経営
【第7回】 2017年3月24日
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新 将命

株主の優先順位は4番目
ステークホルダーには優先劣後の順位がある

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王道経営においては、株主よりも社員の幸福や顧客満足のほうが優先される。社員満足、顧客満足というプロセスの結果が、株主満足だからだ。株主満足を実現することができれば、満足した株主が現経営者に引き続き経営を委ね、結果として正の循環が生じる。こうして「黄金のループ」は完結する。

よい卵が欲しければ、ニワトリを大事にせよ

 王道経営は、ステークホルダー主義であるといっても、ステークホルダーは全員が横一線で同列かというとそうではない。そこには、わずかながら優先劣後の順位がある。

 王道経営におけるステークホルダーの優先順位は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのクレード「我が信条」が見事に示している。すなわち、1番目は顧客や取引先、2番目は社員、3番目は社会、そして最後の4番目が株主である。

 社員の幸福や顧客満足のほうが、株主よりも先行するのである。

 なぜならば、「黄金のループ」で説明したとおり、株主満足は、社員満足、顧客満足というプロセスの結果であるからだ。よい果実を手に入れるためには、実をつける木が健康であり健全でなければならない。健康で健全な木が育つには、土壌が滋味豊かでなくてはならない。虫に食われないための手当も必要だ。

 株主よりも、顧客満足が優先されるのは仕方ないとしても、社員が株主より優先されるという議論には、違和感を覚える人がいるかもしれない。しかし、黄金のループをしっかりと理解すれば、社員満足が株主満足よりも優先されるというのは道理であり、当然のことだとわかるだろう。

 よい卵がたくさん欲しいのであれば、ニワトリを大事にするしかないのである。

 近年、AI(Artificial Intelligence=人工知能)の進歩が著しい。チェスや将棋、囲碁の名人たちが人工知能を備えたコンピュータと対戦し、コンピュータが勝利するということも珍しくなくなった。最近では、いずれ人の仕事のほとんどは、AIやロボットに取って代わられるという主張も聞く。AIがこのまま進歩・発展すれば、現場の判断はAIが行うので、現場の社員の熟練や創意工夫の重要度はどんどん小さくなるというのである。人の判断業務はなくなり、一部接客など身体を動かすだけの仕事になるという。

 AIやロボットの技術が進歩すれば、現場の人間の仕事が、機械に取って代わられるということは、可能性としてはある。では、AIの技術が進歩した場合でも、株主よりも社員優先という黄金のループは変わらないだろうか。

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新 将命

株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で40年にわたり社長職を3社副社長職を1社経験。株式会社ティーガイア、ライザップグループ株式会社を含む数社の社外取締役を務める。長年の経験と実績をベースに、国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。

自身のビジネス人生で得た実質的に役立つ独自の経営論・リーダーシップ論は経営者や次世代リーダーの心を鼓舞させ、講演会には常に多くの聴講者が詰め掛けている。著書に『経営の教科書』(ダイヤモンド社)『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 働き方の教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために本当に必要なこと』(ダイヤモンド社) など。またオリジナル教材『新将命の経営・リーダーシップ実学』やCD教材等も。

新将命 公式サイト

 


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あまりにも頻発する企業の不祥事に危機感を覚えた“伝説の外資トップ”が、「日本の経営者は、いまこそ王道に立ち返れ」と、40年をかけて体得し実践してきた王道経営の真髄を魂を込めて伝える。

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