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王道経営
【第6回】 2017年3月22日
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新 将命

会社の目的は「利益」ではない

「結果としての利益」を理解できない経営者は邪道

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利益を会社の目的と考えてしまうことは大きな勘違いだ。利益を目的と考えていると、やがて短期利益至上主義に陥り、邪道経営への足を踏み入れ、倒産へと進みかねない。利益の持つ「三つの顔」が理解できれば、結果としての利益を生み出す正しい経営ができるはずだ。

利益を目的と勘違いする邪道経営者

 王道経営は「結果としての利益」を重視する。利益が出ていなければ、会社は社員に給料を払うことも、成長を求めて新しい分野に進出することも、株主に配当することもできないからだ。しかし、300万社を超える日本の全企業の中で、利益を出して国に税金を納めている企業は28%くらいだという。

 利益については、すこし勘違いをしている人も多い。ピーター・ドラッカーはこういっている。

 「会社とは何かと問われると、たいていの人は“営利を目的とする組織”と答えるし、経営者たちもほぼこれと同じ意見を持っている。しかし、この答えは大きな間違いであるばかりでなく、まったく見当外れである。営利(利益)とは、事業の妥当性を検証する一つの規準を提供するものだ。

 ドラッカーがいっているのは、会社の目的は理念や使命の実現であり、利益とは会社の事業が妥当性のある正しいビジネスか否かを測る成績表のひとつであるということだ。

 利益は、会社の行っている事業、あるいは事業のやりかた(経営)が正しければ、きちんと出てくるし、間違っていれば出ない。つまり、利益とは、事業、経営のよしあしの結果であって、利益を上げるために会社を経営すると考えるべきではないということだ。

 利益に対する勘違いで最も多く、悪影響も大きいのが、利益を会社の目的(会社は何のためにあるのか、会社の使命)と考えてしまうことである。

 利益を目的と考えていると、やがて利益至上主義、それも短期利益至上主義に陥る。東芝が不正会計事件を引き起こした根本的な原因は、正しいプロセスの結果であるべき利益を目的としてしまった経営陣の思想・価値観の貧困にある。

 利益を目的と勘違いし、利益至上主義に陥れば、そこが邪道の入り口、倒産への一本道だと心ある経営者は悟っている。

 多くの人が利益を目的だと勘違いするのは、利益が持っている「三つの顔」が理解できていないからである。

 利益には「目標」、「手段」、「結果」という三つの顔がある。利益は、三面観音像のように、これら異なった顔を持って三位一体となっている。

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新 将命

株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で40年にわたり社長職を3社副社長職を1社経験。株式会社ティーガイア、ライザップグループ株式会社を含む数社の社外取締役を務める。長年の経験と実績をベースに、国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。

自身のビジネス人生で得た実質的に役立つ独自の経営論・リーダーシップ論は経営者や次世代リーダーの心を鼓舞させ、講演会には常に多くの聴講者が詰め掛けている。著書に『経営の教科書』(ダイヤモンド社)『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 働き方の教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために本当に必要なこと』(ダイヤモンド社) など。またオリジナル教材『新将命の経営・リーダーシップ実学』やCD教材等も。

新将命 公式サイト

 


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あまりにも頻発する企業の不祥事に危機感を覚えた“伝説の外資トップ”が、「日本の経営者は、いまこそ王道に立ち返れ」と、40年をかけて体得し実践してきた王道経営の真髄を魂を込めて伝える。

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