ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
China Report 中国は今

面積、立地、築年数不問で「平米単価3万元」も。かすかに聞こえてきた中国不動産バブル崩壊の序曲

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第75回】 2011年5月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 「『インフレ対策のために不動産を買っておけ』と言うのはでたらめ、今不動産を持っている人はすぐに売り払ってしまえ」

 中国の著名エコノミスト、謝国忠氏の発言が波紋を呼んでいる。同氏は3月19日、中国建設銀行が主催する広東省での「通貨政策と経済動向サミット」の壇上でこうぶちまけた。「今年は不動産のターニングポイント、中国の大都市の不動産価格はすでに臨界点を越えているため、早晩中国の不動産価格は下落に向かうときが到来する」――。

過熱する大都市部の住宅価格
上海では実質「年収の30倍」

 背景には中国の大都市における住宅価格の常軌を逸した値上がりがある。北京や上海など沿海部の不動産価格は天井高、実需層の手が届かないものとなってしまった。いわゆる「年収の5倍」が住宅価格の標準だとすれば、上海の内環状線の物件は実に「年収の30倍」以上にもなってしまった。

 しかも、現在は市内のどこもかしこも「(平米)単価3万元」(約37万5000円、1元=約12.5円)の“一律価格”。広さ、立地、築年数など一切問わずの十把一絡げで売られている状態なのだ。これを異常といわず、何と言おうか。

 90年代に中国政府が払い下げた、老朽化し物件価値がほとんどないと言えるアパートですら、現在は平米単価2万元でも買えない。

 中国では俗に「自分の月収」=「購入できる不動産の平米単価」だと言われているが、日系企業に勤務する管理職(よくて年収2万元)ですら、今の上海でマンションを購入することは到底不可能になってしまった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


China Report 中国は今

90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

「China Report 中国は今」

⇒バックナンバー一覧