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高橋洋一の俗論を撃つ!

恐ろしく中身のない復興基本法案
中央集権思考を脱し道州制を使え

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第14回】 2011年5月26日
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 衆議院東日本大震災復興特別委員会(復興特委)で、東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案(復興基本法案)が審議されている。その法案には震災復興の基本理念と体制が定められているが、おそろしく中身のないスカスカの法案だ。衆議院のサイトにあるので、読んでみたらいい。

民主、自民の両法案とも
中身が薄く似たり寄ったり

 大震災が発生してから2ヵ月以上になるが、その間、いったいどんな準備をしてきたのだろうか。法案というと、読みにくいという印象がある。実際、いろいろな法律との整合性をとりながら、法案は作られるので、普通は一般の人には読めないくらい複雑だ。ところが、復興基本法案は中身がないので、簡単に読める。

 基本的には、復興の基本理念、東日本大震災復興対策本部の設置、東日本大震災復興構想会議の設置しか書かれていない。そして、附則に、復興庁の設置を検討することが書かれている。この程度の法案なら、数時間で作れるほどのものだ。

 これに対して、自民党は対案(東日本大震災復興再生基本法案)を出している。これも、復興の基本理念、復興基本計画、復興再生債の発行、東日本復興再生院の設置、東日本大震災復興再生委員会の設置と、中身については民主党のものと似たり寄ったりだ。

 ただし、復興組織についてはカバーする業務がやや違っている。民主党案では「被災地域の復興のための施策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務」(第6条)であるが、自民党案では「東日本大震災からの復興再生に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務」と「東日本大震災からの復興再生に関する施策の実施に係る事務」(第14条)となっている。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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