多くの人が持つソフトバンクへの誤解

「ソフトバンクは資金も人も潤沢だから、無茶な目標でも何とかできるんじゃないの?」

 そう思う人もいるかもしれませんが、大きな誤解です。

 今でこそ大企業のソフトバンクですが、私がいた2001年当時はまだ「知る人ぞ知るITベンチャー」という存在でした。

「Yahoo! BB」事業を立ち上げたときも、孫社長以外のメンバーは私を含めて3人だけ。与えられた場所も、雑居ビルの小さな一室でした。

 サービス開始を宣言したあとはさすがに規模が拡大しましたが、各グループ会社から人手を募っただけでは到底足りず、顧客対応の窓口となるコールセンターでは、業務経験がまったくないフリーターや学生アルバイトまでかき集めたほどです。

 もし最初に人員計画を立てていたら、「これだけのリソースで、ユーザー100万人規模のビジネスをやるのは不可能だ」と誰もが結論づけたでしょう。

 しかし、孫社長が常識外のゴールを設定したことで、社員たちの思考からも常識の枠が外れ、思いがけないアイデアや工夫が生まれました。

 そして、ADSL事業参入からわずか3年後、ソフトバンクは固定電話事業者の日本テレコムを買収。その2年後には携帯電話事業者のボーダフォンを買収し、通信事業会社として急拡大します。

 明確な「ゴール」の設定と実行の決断が、常識では考えられない結果へとつながったのです。

 繰り返しになりますが、もし実行が決まっていなかったら、今のソフトバンクはありませんでした。

 それができたのはソフトバンクでは、誰もが「達成できない目標はない」と知っているからです。だから、最初から「目標+実行」を決断できるのです。