世界で約50名しか成し遂げていない偉業「探検家グランドスラム」(世界七大陸最高峰、北極点、南極点を制覇すること)を世界最年少で達成した南谷真鈴さん。本連載では、南谷さんが快挙を成し遂げることができたエッセンスをお伝えするべく、話題の新刊『自分を超え続ける』の内容を一部公開いたします。連載第4回。
1996年、神奈川県川崎市生まれ。1歳半でマレーシアに渡り、大連、上海、香港など幼少時から約12年間を海外で生活。2016年7月、北米大陸最高峰デナリに登頂し、日本人最年少の世界七大陸最高峰登頂者となった。早稲田大学政治経済学部に在学中。「CHANGEMAKERS OF THE YEAR 2016」受賞。「エイボン女性年度賞2016」ソーシャル・イノベーション賞受賞。
「心のコンパス」が向くことをすべてやってみる
世界七大陸最高峰登頂のあとの目標は、スキーで北極点に行き、「探検家グランドスラム」を達成すること。そのあとは海のプロジェクト。セイリングで世界中をまわる構想です。
ユニセフや国連とコラボして、世界のいろいろな国の港に立ち寄り、児童養護施設にいる子どもたち、高校生や大学生、同世代の働いている人、起業家、いろいろな人たちと交流してみたい。
七大陸最高峰と探検家グランドスラムは、私が私になるためのものですが、セイリングはもっと外向きなプロジェクトです。
「もしも目標ややりたいことがあるのなら、障害なんてない」
「もしも障害があってできないと思っているなら、それは自分の情熱が足りないだけ」
そんなメッセージを、身をもって伝えることが、最大の目的です。山がツールであって目的でなかったように、海もそのためのツールです。
なぜツールがセイリングなのかと言えば、飛行機でパッと飛んで行って話すのと、目標を立て、努力し、自力で海を渡って行って話すのでは、伝わることが違うと思うからです。
自転車でもいいし、歩きでもいい。できることや方法をいくつか考え、たまたましっくりきたのがセイリングでした。
経験にとぼしい私がどうやってセイリングで悪戦苦闘するかを、ゼロから100まで見てほしい。行動をとおしてメッセージを伝えられたら最高です。
熱意と行動力があれば、叶わない夢はない。
それを自分自身に示したのが七大陸最高峰登頂であり、セイリングでは、それをまわりのみんなに感じてほしいと思います。
セイリングを終えたあともやりたいことはまだまだありますし、それはすべて未来につながっているツールです。
たとえば東京オリンピックのお手伝いをすることは、この先を考えた時、大きなチャンスになると思っています。今後の私が国際的な交流をしていくにしても、いずれ世界と関わる仕事をするにしても、ビッグイベントに関わる経験をすればきっと役に立つでしょう。
何事もチャンスがあればつかみたいし、つかめたら精一杯コミットし、最大限に有効活用したいと考えています。