内閣不信任案が否決された。一国会一度しか提出できない不信任案が否決されたことで、菅首相の当面の続投が決まった。
だが、きのう(2日)の午前中までは、永田町はまったく違う情勢下にあった。与党・民主党内からですら、内閣不信任案に賛成する声も聞かれたのだ。
2日朝までには、小沢グループを中心とした70名を超える議員が、不信任案に同調する意向を示していた。確かに成立は微妙だったかもしれない。だが、それは、菅政権に打撃を与えるには十分な数であった。朝日新聞もこう書いている。
〈自民、公明両党が一両日中にも衆院に提出する方針の菅政権への内閣不信任決議案に対し、民主党の小沢一郎元代表に近い50人超の衆院議員が賛成する意向を固めた。朝日新聞の取材でわかった。小沢氏系議員らは中間派議員にも同調を求める一方、党執行部は締め付けを強めている。菅直人首相も31日夜、鳩山由紀夫前首相と約2時間会談し、不信任案否決に理解を求めた〉
http://www.asahi.com/politics/update/0601/TKY201105310753.html
衆院本会議直前。
流れを変えた“あの人”
ところが、本会議直前の代議士会で流れが変わる。不信任案可決が濃厚になりはじめた昼前、ある人物の力によって一瞬にして空気が変わった。鳩山由紀夫前首相である。
前夜にも首相と会った鳩山前首相は、2日午前にも菅首相と会談する。そこで運命の「覚書」を交わしたのだった。