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スポンサーが決定しても
清算リスクが浮上する武富士

週刊ダイヤモンド編集部
2011年6月6日
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武富士の社債権者は、更生計画提出のために情報開示を要請したが、認められていない
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 昨年9月に会社更生法の適用を申請して破綻した武富士の経営再建をめぐり、スポンサーまで決まった段階にもかかわらず、管財人が進めている更生計画に異議が唱えられ、再建の行方に不透明感が増している。

 武富士の管財人は今年4月、韓国のA&Pファイナンシャル社とスポンサー契約を締結したと発表。A&Pが業務を引き継ぎ、貸付業務を再開するという再建スキームを推し進めようとしている。

 すでに裁判所の同意も取り付けており、7月15日にも債権者集会を開いて、最終的に更生計画案の承認を受ける方針だった。

 ところが、これに武富士の社債を保有している社債権者たちが噛みついた。年金基金や、慈善団体から出資を受けている米国のファンドたちだ。

 社債権者はスポンサーの決定過程が不透明なことに加え、いまだ譲渡の価格や条件を発表しないなど、管財人の情報開示に疑念があるとして異議を唱えているのだ。

 A&Pの提示価格は300億円前後といわれる。それ以外の主な資産は、現在売却を進めている京都と東京・新宿の不動産で200億円弱と見られ、合わせても譲渡価格は500億円程度。

 これに対し、社債権者たちが独自に試算したところ、「清算した場合の事業価値は(不動産などを含めて)600億~750億円に上る可能性がある」(社債権者関係者)と、A&Pを上回る価格を弾き出している。

 となれば、会社更生法では債権者に対する弁済率を高めることが求められていることから、社債権者の主張をのまなければならないということになる。

 社債権者は、管財人や裁判所により正確な試算をするための情報開示を求めているが、いまだ実現していない。ただし時間が限られているため、6月上旬にも独自の更生計画を提出する方針だ。

 現在、中身の詰めの作業を行っており、事業継続の可能性を否定しないものの、清算したほうが弁済率が高まる場合にはただちに清算手続きに入る計画になる見込みだという。

 とはいえ、すでにスポンサーまで決まっている段階で、社債権者案が認められる可能性は高くない。そこで社債権者たちは、7月15日の決議で管財人案を否決したうえで、自分たちの計画を採択させようというシナリオを描く。

 「より多くの賛同を得るため、100万人以上いる過払い債権者の協力を得るべく、彼らの代理人である弁護士とも話を進めている」(同)と、すでに手はずも整えている。

 どちらの案が通るのか、現時点では予断を許さない状況となっている。もしも社債権者たちの案が通れば、武富士はついに清算への道を歩むことになりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)

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