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コリア・ITが暮らしと経済をつくる国

韓国のIT企業は、なぜ日本進出を夢見るのか

韓国政府支援来日のIT技術者は毎年倍増

趙 章恩 [ITジャーナリスト]
【第13回】 2017年4月26日
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意外に思えるかもしれないが、韓国は日本をIT輸出の世界重要拠点の一つと捉えて東京に韓国行政機関の拠点を置いたり、日韓のコンテンツ産業の橋渡しをする機関の拠点を置いている。また、韓国の多くの若い人材が日本での就職を望み、政府もそんな動きを支援しているのだ。なぜ、韓国の企業や人は、日本のITマーケットを目指すのか。

韓国の主要世界IT戦略拠点は
東京、シリコンバレー、北京  

韓国の行政、IT企業、IT人材は日本マーケットに熱い期待を抱く ※写真はイメージ pixta_16791330

 韓国の政府機関には、韓国企業の日本進出をサポートする拠点を東京に置くものがある。その中で、IT分野で中心的なサポートを行っているのが、「大韓貿易投資振興公社(KOTRA)東京IT支援センター」「韓国コンテンツ振興院(KOCCA)日本ビジネスセンター」である。

 KOTRA東京IT支援センターは、2001年に前身のiPark Tokyoとして発足、2008年からはKOTRAが運営を続けている。

 主な支援内容は、韓国ITベンチャーのための東京でのオフィス提供、企業交流のための展示会(韓国IT Expo、KOREA ICT PLAZA)や、セミナー・交流会(Korea IT Cafe)の開催、そして、日本企業に向けた韓国ITビジネスの情報提供などだ。

 KOTRAの在外国IT支援センターは、東京、米国(シリコンバレー)、中国(北京)の3カ所にしかない。東京、シリコンバレー、北京は、韓国IT産業のグローバル化を推進する戦略拠点であり、韓国のIT輸出の三大拠点であるという理由からだ。

 一方、KOCCA日本ビジネスセンターもオープンは2001年で、韓国のITコンテンツメーカーの進出支援窓口として活動している。

 日本のコンテンツ市場動向のレポートの発行、各種デジタルコンテンツの輸出に関する、対日ビジネスのサポートとコンサルティング、日韓両国のコンテンツビジネス活性化のためのイベント開催、日韓コンテンツ企業のネットワーキングイベント開催などを行い、特に、日韓共同制作のコンテンツを第三国に輸出するなどのパートナシップ構築にも積極的に取り組んでいる。

 あるいは、こうした機関のように日本に拠点を置かないまでも、韓国企業のコンテンツを日本に売り込むための商談会を定期的に開催し、日本までの渡航費や参加費などを援助する政府機関や自治体、各種協会は、実は数えきれないほど多い。

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趙 章恩 [ITジャーナリスト]

ちょう・ちゃんうん/韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。
IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「ニューズウィーク」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。


コリア・ITが暮らしと経済をつくる国

韓国の国民生活に、ITがどれほど浸透しているか、知っている日本人は意外に少ない。ネット通販、ネットでの納税をはじめとする行政サービスの利用、公共交通機関のチケットレス化は、日本よりずいぶん歴史が古い。同時に韓国では、国民のIT活用に対する考え方が、根本的にポジティブなことや、政府が規制緩和に積極的で、IT産業を国家の一大産業にしようとする姿勢などが、IT化を後押ししていることも事実である。

一方の日本は、どうして国を挙げた大胆なIT化の推進に足並みがそろわないのか。国民生活にITが浸透している韓国の先行事例を見ながら、IT化のメリットとリスクを見極めていく。

「コリア・ITが暮らしと経済をつくる国」

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