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コリア・ITが暮らしと経済をつくる国

韓国経済を震撼させる「Galaxy Note7」発火事故

事態はもはや“IT立国”の信用問題に

趙 章恩 [ITジャーナリスト]
【第12回】 2016年11月4日
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サムスン電子が満を持して発売した「Galaxy Note7」に、原因不明の発火事故が相次いだ。これにより同社の業績が大きく落ち込んだことはもちろん、「Galaxy」は、IT関連製品・サービスの輸出を国の一大産業と位置付ける韓国の代表ブランドだけに、韓国経済全体への大打撃が懸念されている。

いまだ正確な原因不明の
Galaxy Note7発火事故

 まさか、自分が人生初の予約購入までして手に入れたスマートフォンが、ネット上で「時限爆弾」と揶揄されることになるとは。

 Fotolia_123500747Galaxy Note7の発火事故は、一企業の問題を超え国全体の経済の懸念材料に(写真はイメージ) Fotolia_123500747

 今年8月、歴代「Galaxy」シリーズので中でも、機能性やデザイン性のどれを取っても有数の作になるだろうといわれ、鳴り物入りで発売されたサムスン電子の「Galaxy Note7」が突然発火する事故が相次ぎ、2度のリコールが行われるという事態に至った。

 9月2日には出荷が停止されたが、この時点ですでに250万台が市場に出回っており、同社では、これらを全てリコール対象とすると共に、発火の原因はバッテリーにあるとして、別メーカーのバッテリーを実装した同端末との交換を行った。

 しかしその後、バッテリーを入れ替えた端末でも発火事故が続いたため、同社は10月に入り、韓国とアメリカで製造販売を中止。日本やヨーロッパなどでの発売も見送りとなった。

 本稿を執筆中の10月26日時点でも、発火原因は一向に不明のままだ。この事態に、政府機関である韓国産業技術試験院、国家技術標準院も調査に乗り出した。これらの調査過程では、バッテリーだけでなく、アプリケーションプロセッサや端末設計自体など、あらゆる不具合の可能性が取りざたされている。

 実際、発火事故が起きる前からサムスン電子のホームページには、「Galaxy Note7」に関しての色々な不具合が書き込まれていた。代表的なものが「充電中の過熱」と「急速な放電」である。

「ワイヤレス充電すると充電しても、かえってバッテリー残量が減る」「100%充電しても数分後には30%まで落ちる」「ゲームも動画も利用していないのにバッテリーの減りが激しすぎる」「充電を始めると怖いほどバッテリーのところが熱くなる」――などなど。

 私の場合、リコールのために3度もサムスン電子のサービスセンターを訪問し、新しい端末が届くまでの1週間ほどは端末が使えなかった。

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趙 章恩 [ITジャーナリスト]

ちょう・ちゃんうん/韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。
IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「ニューズウィーク」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。


コリア・ITが暮らしと経済をつくる国

韓国の国民生活に、ITがどれほど浸透しているか、知っている日本人は意外に少ない。ネット通販、ネットでの納税をはじめとする行政サービスの利用、公共交通機関のチケットレス化は、日本よりずいぶん歴史が古い。同時に韓国では、国民のIT活用に対する考え方が、根本的にポジティブなことや、政府が規制緩和に積極的で、IT産業を国家の一大産業にしようとする姿勢などが、IT化を後押ししていることも事実である。

一方の日本は、どうして国を挙げた大胆なIT化の推進に足並みがそろわないのか。国民生活にITが浸透している韓国の先行事例を見ながら、IT化のメリットとリスクを見極めていく。

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