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浜岡原発停止の副作用で募る“東海大地震”不安
表面的な議論に埋もれかねない「本当のリスク」

友清 哲
2011年6月10日
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浜岡原発の全面停止は、福島原発事故と同じ轍を踏まないために、政府が前もって対応を進めた前向きなニュースだった。不信任案騒動で批判を浴びる菅内閣にとって、国民から評価されている数少ない政策とも言える。しかし、浜岡原発の停止は、東海大地震を連想させ、人々の恐怖をさらに募らせるという「副作用」ももたらした。9割に近い高確率で発生が囁かれる東海大地震とは、いったいどのような地震なのか。また、本当に発生するのだろうか。巷の言説の真偽に迫ってみよう。(取材・文/友清 哲、協力/プレスラボ)

浜岡原発停止は政府の“好プレー”だが
「東海大地震不安」を募らせた一面も

 静岡県御前崎市に建つ浜岡原子力発電所(以下、浜岡原発)は、中部電力が所有する唯一の原子力発電所である。先月上旬、この原発が内閣の要請に応じて全面停止したことは記憶に新しい。

 これは先の東日本大震災によって事故を起こし、現在も収束の兆しを見せない福島第一原子力発電所(以下、福島原発)の教訓を生かしての判断だった。浜岡原発が立地する付近は、活断層上に位置するとされ、以前から予測されている東海大地震が現実のものとなった場合、福島原発の二の舞を演じることは、火を見るより明らかだというのだ。

 今なおメドが立たない福島原発の事故から、原発という国家的な事業に様々な思惑と利権が絡み合っていることを、今回の震災で多くの国民が痛感しただろう。それだけに、浜岡原発の全面停止処理も、決して一筋縄ではいかないだろうと踏んでいたのは、筆者だけではないはずだ。

 その意味で、今回の速やかな原発停止は、良い意味で驚きをもって受け止められるべき、政府の「好プレー」と言っていいだろう。菅首相は、期限を明言しない辞任表明を行ない、辛くも不信任案を否決したにもかかわらず、その後も「居座り」を続けて批難されている。しかし世間の声を聞くと、浜岡原発停止に関してだけは、菅内閣を評価する声が多い。

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