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“思いつき”のエネルギー政策では国が壊れる!
日本が復活を賭けるべき「ポスト原発依存」の選択肢

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第179回】 2011年6月14日
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浜岡原発停止も電力供給策は見えず
思いつきのエネルギー政策に募る不安

 菅首相の発言を見ていると、深い考えがなく、そのときの思いつきで言葉を発しているように思えることが多い。なかでも、わが国のエネルギー政策に関する発言は、特にそう感じる。

 福島原発事故の後、菅首相は原子力発電中心のエネルギー政策の見直しを宣言した。また、地震などの危険性を理由として、静岡県の浜岡原子力発電所の全面的な停止を中部電力に要請した。

 浜岡原発を止めること自体には、住民の安全性を考えると、相応の説得力があるだろう。しかし、原発停止を実施したときに、電力供給の対応策などが明示されることはなかった。

 そうした菅政権のエネルギー政策に関して、エネルギー専門家の中には、「菅政権の思いつきのエネルギー政策では、日本という国が壊れてしまう」と厳しく批判する声もある。わが国にとってとても重要なエネルギーの問題を、いとも簡単に結論を発する姿勢に対しては、専門家ならずとも疑問が湧くのは当然だ。

 もともと国内に資源の乏しいわが国にとって、エネルギー問題は経済に大きな影響を与えると同時に、国民の生活に直結するファクターだった。それは、1970年代の2回のオイルショックや、2000年代に入っての原油価格高騰などを振り返ると、明らかである。

 また、地球温暖化問題の高まりによって、化石燃料に代わる代替エネルギーの開発が注目されたこともあり、わが国にとって、エネルギーは極めて重要な問題だ。国のリーダーたる首相が、中長期的な展望を持つことなく、“思いつき”とも言われるようなエネルギー政策を口にすべきではない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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