――古典の噺とは、まったく違う技術や工夫が要求されますね。何か秘訣はありますか。

らく朝 秘訣なんてないですよ。口幅ったいことを言えば、観客に対する愛情がそうさせるということでしょうか。どうしたら笑ってもらえるか、楽しんでもらえるか、聞いてよかったと思ってもらえるか、ということをいつも考え続けていて、それが原点にあっての工夫です。

短い番組でも
「おトク感」があるように

――「笑いの診察室」をどういう人に見てほしいですか。

らく朝 落語という間口を広げるためにも、誰にでも関わりのある「健康」を切り口で興味を持ってもらえればと思っています。同時に健康オタクでない人にこそ、健康についてもっと知ってほしいので、何気なく見ているうちに健康について意識が高まるということがあればうれしいですね。とくに「笑いの診察室」では「おトク感」があるものにしようと心がけています。番組は5分程度と短く、視聴者の方は何かをしながら見るという感じだと思います。発信する情報もせいぜい1つか2つ。それをいかに選ぶか。また、いかに、これは気になる、明日からできそう、これまでしてきたことは正解だったのだといった反応を引き出せるかが勝負です。ただ、難しい知識をわかりやすく説明するのなら私でなくてもいいわけです。その説明が「らく朝」の文体、「らく朝」の語りになっていなければ意味がない。そこへ落とし込むのがもっとも苦心するところですね。

――新作の健康落語を作るのも、「笑いの診察室」のネタを考えるのも、作家の生みの苦しみと同じですね。

らく朝 私のような凡才は苦労しますよ(笑)。笑いは免疫力の向上につながるなど、効用について医学的なエビデンスも随分蓄積されてきました。でも私自身は笑いを作ろうと、毎回ネタを生み出すストレスで身体に悪いことといったらない(笑)。それでも「ああ、緑茶は身体にいいんだ」とか「最近疲れがとれないのはもしかして副腎疲労が原因かしら」とか、番組がきっかけで健康管理を心がけるようになったとか、100人にひとりでも病気が見つかったとか、そういうことにつながれば、これ以上の喜びはないです。そしてやっぱり笑ってもらえると本当によかったなあと思いますね。


沢井製薬 Presents 『Dr.らく朝 笑いの診察室』
(BS日テレ 毎週月曜よる8時54分~9時)

医師にして落語家の立川らく朝師匠が、全国に数百万人、予備軍も含めればその数倍と言われる生活習慣病を中心に様々な疾患を「健康ことわざ」で紐解く健康情報ミニ番組。

◎直近の放送タイトル 
6月5日…CKD(慢性腎臓病)
・前編×「証文の出し遅れ」
6月12日…CKD(慢性腎臓病)
・後編×「腹心の病」
6月19日…高齢者の睡眠×「弱るは老いの習い」
6月26日…お腹ピンチ!過敏性腸症候群×「物が無ければ影ささず」

*第1回からの過去の映像はこちらでご覧になれます。

>>BS日テレの『Dr.らく朝 笑いの診察室』公式Webサイトはこちら