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「負けない」ベガルタ仙台の戦いぶりは、サッカーには戦力を補う“何か”があることを教えてくれる

相沢光一 [スポーツライター]
【第157回】 2011年6月21日
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 もはや伝説になりつつある、といっていいのではないだろうか。開幕以来、無敗を続けているJ1・ベガルタ仙台である。

 先週土曜(18日)はアウェーで新潟と戦った。0-1と1点ビハインドで迎えた終盤、ベガルタイレブンはなんとか追いつこうと執念の攻撃を続けた。ロスタイムに入り、いつタイムアップの笛が鳴ってもおかしくない中、MF関口が上げた右からのクロスをFW松下が折り返す。それをDF菅井が体を投げ出すようにして、ヘッドで決めた。最後の最後で負けを消したのだ。

昨季、最後まで残留争いしたチームを
開幕直後に大地震と津波が襲った

 ベガルタは昨年、7シーズンぶりにJ1に復帰したが、10勝15敗9分と負け越し、順位は18チーム中14位。最終節までJ1残留争いを続ける苦労を味わった。今季はそれなりに選手を補強して臨んだが、クラブの社長が掲げた目標は「ひとケタ順位」。残留争いでハラハラしなくて済むよう10位以内には入る成績を収めてくれ、ということだ。弱さを自覚し、段階を経てレベルアップしていこうとしているチームなのである。

 3月5日の開幕戦はアウェーで広島と戦い、0-0の引き分けに終わる。昨季の課題が改善されたとはいいがたい内容だった。

 その6日後、大地震と津波が仙台を襲った。ホームのユアテックスタジアムは損傷が激しく立ち入り禁止になり、クラブハウスも半壊した。自宅が壊れるなど被災した選手もいた。物資不足から食事も満足に摂れなかった選手もいたようで、報道によればベガルタ唯一の現日本代表・関口訓充はカップ麺で数日をしのいだという。

 Jリーグはこの非常事態を受けて、試合をしばらく中止することを決定した。地震の被害を受けていない他の地域のクラブは練習を継続できるが、ベガルタの選手はとてもサッカーどころではなかった。震災後、ほとんどの選手は自宅で悶々とした日々を送っていたようだ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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