ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
脳疲労が消える最高の休息法
【第2回】 2017年5月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
久賀谷 亮

「何もしていないのにダルい…」には、こんな脳科学的メカニズムがあった
「脳という臓器」をダイレクトに癒やす発想

1
nextpage

睡眠、美容、子育て、集中力、ダイエット、禁煙、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネス。これを日本で最も広めたベストセラー『最高の休息法』に「医師監修の特別音源CD」を付属した実践編が登場した。その名も『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』――。その一部をご紹介しよう。

脳は「何もしない」でも疲れていく

 「脳を休める方法」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
たとえば睡眠? そう、しっかり眠ることはとても大切です。睡眠が脳にもたらす効果については、たくさんの研究がなされています。

……では、ほかには?
そう聞かれると、けっこう多くの方が「何もしないでぼーっとすること」と答えます。
「いつも仕事や家庭のことで忙しく頭を使っているのだから、休みの日くらいは何も考えないで、ぼんやりしていたい」という心理があるのかもしれません。

ただし、どれだけ無為な時間を過ごしても、それだけではあなたの脳は休まらないと思ったほうがいいでしょう。脳科学的に見れば、むしろ、どんどんとエネルギーを消耗している可能性すらあります。

なぜなのかについて、まずお話ししましょう。

人間の脳の重さは、体重の約2%と言われています。
では、脳はどれくらいのエネルギーを消費していると思いますか?
なんと1日の全消費エネルギーの20%程度だと言われています。重さは2%なのに、20%ものエネルギーが必要な“大食漢”──それが私たちの脳ミソなのです。

なぜ脳は、こんなにもたくさんのエネルギーを必要とするのでしょうか?
これには諸説ありますが、米ワシントン大学セントルイス校の神経学者マーカス・レイクル教授が提唱したデフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)の存在が大きいのではないかと言われています*01。ちょっと長い名称なので、ここからは頭文字をとってDMNという略称を使いましょう。

*01 Raichle, Marcus E., et al. (2002) “Appraising the brain,s energy budget.” Proceedings of the National Academy of Sciences 99.16: 10237-10239.

DMNとは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉など、複数の脳部位から構成される脳回路です。この部分は、脳が意識的な反応をしていないときにも働くベースライン活動を担っています。
私も以前からこの脳の働きには興味を持っており、レイクル教授にお話を聞きに伺ったこともあります。

 「自動車のアイドリングのようなもの」と説明すると、わかりやすいでしょうか。人間の脳は、つねにエンジンがかかりっぱなしで、とても落ち着きのない器官なのです。

びっくりするのは、このDMNのエネルギー消費量が、脳全体の消費エネルギーの60~80%を占めると言われていることです。つまり、何かに集中することなく、ただぼーっとしているだけでも、このDMNが過剰に働いていれば、脳はどんどん燃料を消費するわけです。

逆に、何か意識的な作業をするにしても、追加で必要になるエネルギーは5%ほどだといいますから、いかにDMNが「食いしん坊な脳回路」なのかがわかります*02。

*02 Raichle, Marcus E. (2010) “The brain,s dark energy.”Scientific American 302.3: 44-49.
1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
最新の科学でわかった! 最強の24時間

最新の科学でわかった! 最強の24時間

長沼敬憲 著

定価(税込):本体1,400円+税   発行年月:2017年4月

<内容紹介>
生物学、脳科学、医学で次々と解明されてきている、人間の心身を支配する生体リズムの仕組み。健康管理から勉強、ビジネスに至るまで、人間のあらゆる行動に存在している、それをするのに最適な時間を理解すれば、何事にも効率的かつ確実に目的を達成することが可能になる。

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍

(POSデータ調べ、5/14~5/20)



久賀谷 亮(くがや・あきら)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。


脳疲労が消える最高の休息法

【大反響!シリーズ20万部突破!!】いちばん売れてるマインドフルネス本に「CDブック」が登場!! 「世界一受けたい授業」に出演した米国医師が監修した「特別音源」を聞くだけで、脳の疲れが消えていく……スポーツ界・芸能界でも実践者続々!! 睡眠・美容・子育て・勉強・ダイエット・運動・老い…あらゆる面で効果を実感する、最強の科学的メソッド!

「脳疲労が消える最高の休息法」

⇒バックナンバー一覧