ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
日本総研 「次世代の国づくり」

復旧の先へ!東北を地方再生モデルに
同地域を3ゾーンに分けた「新興」計画の提言
――日本総合研究所主任研究員 矢ヶ崎紀子

矢ヶ崎紀子 [株式会社日本総合研究所 総合研究部門 主任研究員]
【第5回】 2011年6月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 東日本大震災は、東北地方に不可逆的な経済社会変化を生じさせた。東北地方の産業・生活基盤は、元の状況に戻すだけの復旧を超えて、復興後の環境変化を見越した「新興」を目指すことによって再生させる必要がある。

 そのためには、理想的なビジョンを描くだけでは不十分で、東北の人口と産業集積の地域特性および被災状況を十分に勘案することが重要である。ここでは、東北地方を、①人口過疎化と産業基盤の地盤沈下にある沿岸部、②機械部品を中心とした産業集積と人口集中がみられる背骨部分、③背骨部分と沿岸部をつなぐ地域、の3つのゾーンに分類し、それぞれの状況に応じた産業新興を目指す必要があることを提言する。

復興需要に依存せず
構造的な問題を直視すべき

 阪神・淡路大震災後には、復興需要によって、多くの雇用が生み出された。しかし、この“特需”の効果は一時的で、結局、兵庫県の就業者数は減少を続け、労働生産性も震災前以下の水準に落ち込んでしまった。

 神戸港の修復までに、国際ハブ港としての機能を釜山や上海に奪取されたことの影響も大きい。復興需要が一巡した後に、地域産業が震災前から抱えてきた構造的な問題が、顕在化してきたためである(図表1)。今回の東北でも、同じことが繰り返されないだろうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

矢ヶ崎紀子 [株式会社日本総合研究所 総合研究部門 主任研究員]

やがさき のりこ/1963年生。1987年国際基督教大学卒。1987年住友銀行入行。1989年日本総合研究所入社。2006年九州大学大学院法学府修士課程修了。2008年10月~2011年3月国土交通省観光庁参事官(観光経済担当)。2011年4月より現職。


日本総研 「次世代の国づくり」

日本はまさに歴史の転換点にたっている。この認識に立ち、日本総研は2009年より「次世代の国づくり」をテーマに活動している。その活動の一環として09年3月より報道関係者を対象とし、勉強会を開催してきた。本連載は11年度に開催する勉強会の内容を基に、日本総研の研究員が総力を結集して、次世代の国づくりに向け、多岐にわたるテーマを提言していく。

「日本総研 「次世代の国づくり」」

⇒バックナンバー一覧