ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
日本総研 「次世代の国づくり」

市町村への緊急提言
「主体性」ある復興に向けての3つの方策
日本総研創発戦略センター主任研究員 井上岳一

井上岳一 [日本総合研究所創発戦略センターグリーン・グロース・オフィス(OGGII)主任研究員]
【第8回】 2011年7月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

どうすれば「主体性」を
取り戻すことができるのか

 辞任した松本前復興相の「知恵を出さない奴は助けない」という発言で思い出したのは、6月25日に発表された東日本大震災復興構想会議の『復興への提言』の中の以下の文章である。

 復興が苦しいのもまた事実だ。耐え忍んでこそと思うものの、つい「公助」や「共助」に頼りがちの気持が生ずる。しかし、恃むところは自分自身との「自助」の精神に立って、敢然として復興への道を歩むなかで「希望」の光が再び見えてくる。だから自ら人とつなぐはよし、いつのまにやら人とつながれていたでは悲しい。復興への苦闘のなかでこそ、人は主体性を取り戻し、それに「希望」を見出していくのだから。

 「公助」や「共助」よりもまずは「自助」をという姿勢自体は否定されるべきものではない。「恃むところは自分自身との『自助』の精神」なくして人々の生きる力や社会の活力は生まれないし、「主体性」のないところに「希望」は生まれようがないと思うからだ。

 だが、どうすれば人々は主体性を取り戻すことができるのか。「自ら人とつなぐはよし、いつのまにやら人とつながれていたでは悲しい」と言うが、ならばどうすれば自らつなぐことができるのか。「共助や公助を頼みにせずに苦闘しろ」ということかもしれないが、そう言ってしまっては身も蓋もない。

 復興に向けた計画をつくり、実施していく主体はあくまでも地元市町村だが、だからと言って「市町村が主体性を発揮すべきだ」と突き放していればいいというものでもない。市町村の拠り所となるような、もっと市町村の立場に立った復興の理念や考え方を示すことが求められているのだと思う。

 そこで本稿では、日本総研が6月27日に公表した『市町村への緊急提言 復興の七柱~つながりと循環の街づくりを~』を下敷きにしながら、人々が「主体性」を取り戻し、自らを人と「つなぐ」ような、「主体性」ある復興に向けての3つの方策を提言したい。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

井上岳一 [日本総合研究所創発戦略センターグリーン・グロース・オフィス(OGGII)主任研究員]

いのうえ たけかず/1969年生まれ、94年東京大学農学部卒業、林野庁入庁。森林政策、地方分権のための行政改革等を担当。2000年米国Yale大学大学院卒業(経済学修士)、01年Cassina Interdecor Japan(現Cassina IXC)入社。ブランドマネジャーとして、家具や生活雑貨の企画・製造・輸入・販売を統括。03年日本総合研究所入社。総合研究部門でコンサルティングに従事後、10年4月より現職。


日本総研 「次世代の国づくり」

日本はまさに歴史の転換点にたっている。この認識に立ち、日本総研は2009年より「次世代の国づくり」をテーマに活動している。その活動の一環として09年3月より報道関係者を対象とし、勉強会を開催してきた。本連載は11年度に開催する勉強会の内容を基に、日本総研の研究員が総力を結集して、次世代の国づくりに向け、多岐にわたるテーマを提言していく。

「日本総研 「次世代の国づくり」」

⇒バックナンバー一覧