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日本総研 「次世代の国づくり」

再生可能エネルギー普及のカギは
透明性の高い広域送電網の構築
EUの発送電分離政策の歴史に学ぶ
日本総合研究所上席主任研究員 瀧口信一郎

瀧口信一郎 [日本総合研究所創発戦略センター上席主任研究員]
【第10回】 2011年8月15日
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 今回の東日本大震災では、エネルギー分野で3つの課題が浮かび上がった。

 ①原子力から多様な電源ポートフォリオ、特に再生可能エネルギーへの転換、②地域毎に分断された電力供給システムからの転換、③政策当局と関連業界の緊密な関係の見直しである。

なぜ再生可能エネルギーの
既存送電網への接続が難しいのか

 電源としては中長期的には再生可能エネルギーが主体になる。ただし、普及に向けては、コスト、系統接続(電力会社の所有する送配電網への接続)において課題が存在している。電力の固定価格買取制度ができれば、再生可能エネルギー導入におけるコストの問題は解消される。しかしながら、系統接続においては、日本の送電網は風力発電の受け入れ可能量が発電設備容量の5%程度(図1参照)とされており、接続が容易でないという問題が残っている。

 この背景には、地域完結型の電力システムがある。日本の電力業界は、終戦直後から長期にわたり維持されてきた、9つの地域電力会社による供給体制を取っている。この電力供給システムは、地域の需要を地域の供給でまかなう地域完結型の構造を取っており、地域間の送電線の連系は、最低限の融通を行うための連系線の整備あるいは運用にとどまっている。

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瀧口信一郎 [日本総合研究所創発戦略センター上席主任研究員]

たきぐち しんいちろう/1969年生まれ、93年3月京都大学人間環境学研究科修了、01年5月テキサス大学経営大学院修了。外資系コンサルティング会社、不動産投資ファンド、エネルギー関連アドバイザリー会社を経て、09年2月より現職。


日本総研 「次世代の国づくり」

日本はまさに歴史の転換点にたっている。この認識に立ち、日本総研は2009年より「次世代の国づくり」をテーマに活動している。その活動の一環として09年3月より報道関係者を対象とし、勉強会を開催してきた。本連載は11年度に開催する勉強会の内容を基に、日本総研の研究員が総力を結集して、次世代の国づくりに向け、多岐にわたるテーマを提言していく。

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