今回は、“予言”の概略を眺め、厚労省パチンコ調査(3月)、生活保護での調剤薬局を1ヵ所に限定する検討(5月)について、内容と問題点を整理し、最後にその背景を振り返ってみたい。

日本を“予言“する
内閣府・財務省文書

 私は「徴税と分配こそが政治の中心」と考えている。すると、生活保護制度の中心は、厚労省ではなく財務省ということになる。もちろん、生活保護制度と運用に責任を持つのは厚労省だが、国家予算の裏付けがなければ何もできない。その国家予算を握っているのは、財務省だ。生活保護制度の運用に財務省の意向が色濃く反映されるのは、この仕組みによっている。

 ただし、この仕組みが「グローバルスタンダード」というわけではない。日本にいると、「財務省の意向である以上は、いずれ実行されてしまうんだろうなあ」と諦めムードになりがちだが、世界には数多くの政府がある。良し悪しは別として、「政権交代とともに官僚入れ替え」が当然の国々では、日本で見られる「自民党政権でなくては官僚をコントロールできない」といった問題は起こらない。

 ともあれ現在の日本では、国家予算を握っている財務省の意向が、他省庁を強力に支配する。生活保護に関する「財務省の意向」は、財政審・財政制度分科会の答申や報告書を見れば、一目瞭然だ。まだ答申や報告書の形になっていなくても、審議に提出された資料や議事要旨を見れば、概ねの方向性はわかる。

 財政審・財政制度分科会は、毎年、春と秋を中心に審議を重ねている。春の審議の後、5~6月頃、国家予算の現状と今後に関する建議を発表する。同時期に、内閣府・経済財政諮問会議は『骨太の方針』を発表する。また秋の審議の後、11月頃には、次年度予算に関する建議が発表される。

 財政審と経済財政諮問会議の文書に目を通せば、政府の意向は概ね読み取ることができる。そこに「生活保護の○○費を△%削減」と記載されてしまったら、よほどのことがなければ覆らない。「削減幅が少しだけ減る」「実施時期が少しだけ遅くなる」といったことが精一杯だ。

 2017年度の財政審建議は、まだ取りまとめられていない。まずは、2016年5月に取りまとめられた『「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議』を見てみよう。