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飲食店を救う「ITサービス」ガイド
【第5回】 2017年6月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村 仁

原価管理の重要性を教えてくれる
池袋の繁盛店
受発注・請求書システム「BtoBプラットフォーム」・後篇

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飲食店の予約/顧客台帳サービスとしてNo.1のシェアを誇る株式会社トレタの代表・中村仁氏に、飲食店向けのお勧めのITサービスを独断で選出し、解説してもらう好評連載。
前篇に続き、今回は、請求書のやりとりを含む「仕入」をワンストップで完結してくれる受発注・請求書システムの後篇です。池袋の有名店の経営者に、飲食店における原価管理の重要性を改めて教えていただきました。(構成:谷山宏典)

徹底した仕入管理で
繁盛店をつくる!

「オリエンタル・ビストロ アガリコ」は、元グローバルダイニングの大林芳彰さんが独立して最初に立ち上げたお店です。店舗概要は以下の通りです。

(写真:アガリコ)

業態:オリエンタル・ビストロ(大林さんが独自に創ったコンセプトで、中国、韓国、シンガポール、タイ、ベトナムなどアジア全域の料理をワインとともに楽しめる店)
坪数:18坪
席数:38席(カウンター含めて)
営業時間:17:00~翌7:00/年中無休
従業員数:社員5名、アルバイト7名
客単価:2000~3000円ぐらい
売上:月1350万円ぐらい

 お話をうかがっていると、この「オリエンタル・ビストロ アガリコ」は、店の立地からコンセプト、料理、営業形態に至るまで、すべてに「街に愛される店にしたい」という大林さんの哲学が反映されていることが伝わってきます。

 たとえば営業時間はなんと翌朝7時まで。しかしこの営業時間にも明確な理由があり、

・23時ぐらいまでの通常のディナータイムは「外食が大好きな25~40代の女性」
・23時~終電は「帰宅前に軽く飲みたい近隣の方」
・深夜2時~は「長い仕事が終わって一息つきたい飲食店勤務の女性」
・明け方は「深夜営業のお店で仕事終わりの人たち」

という、それぞれの時間のそれぞれのお客さんに楽しんでもらうためなのです。「ある雑誌で『四毛作』と書かれましたよ」と大林さんは笑って教えてくれました。

 13年間務めたグローバルダイニングを辞めて、「オリエンタル・ビストロ アガリコ」を立ち上げたのは2011年3月のこと。「BtoBプラットフォーム受発注」の導入は、それからおよそ1年後、店舗数が一気に3店に増えた時点で決めました。

 独立後、早い段階での導入を決めたのは、グローバルダイニング時代にすでに「BtoBプラットフォーム受発注」を使用して仕入管理をしていた経験があり、このITシステムの威力を現場で実感していたからです。

株式会社Big Belly・大林芳彰社長 (写真:疋田千里)

大林 「前職で『BtoBプラットフォーム受発注』を導入したのは、たしか2003年ごろだったと思います。当時、料理長として5店舗を任されていたのですが、仕入業務はほかの飲食店と同じように、伝票を手書きで書いてファックスで送ったり、電話で発注していました。休日でも、発注のためにわざわざ店まで足を運ぶこともありました。当時はそれが当たり前だと思っていたのです。ですが、『BtoBプラットフォーム受発注』を使うようになってから状況が一変しました」

 「BtoBプラットフォーム受発注」によってもたらされた変化のうち、大林さんに特に感動したのは次の3点だといいます。

 1つ目が「店舗に行かなくても発注ができるようになったこと」です。
 「BtoBプラットフォーム受発注」は、スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスでも操作できます。そのおかげで、店の外からでも発注ができるようになり、休日は確実に休めるように。ほかの従業員に発注を任せたときも携帯電話でチェックできるので、大林さんが店にいなくても何かミスがあったときはすぐに対応できるようになりました。

 2つ目が「伝票処理が劇的に簡略化したこと」
 紙の伝票で取引先とやりとりをしていたときは、閉店後に「あの食材が欠品だった」とか、「余計なものが入っていたから返した」とか、その日の納品にかんする確認を取引先としていたそうです。その確認作業に毎日1時間~1時間30分ぐらいかかってしまい、終電で帰れないこともありました。
「BtoBプラットフォーム受発注」を入れてからは、確認作業のために店に残る必要がなくなり、店を閉めたらすぐに帰宅。確認はすべて携帯電話で行なうようになりました。

 そして、3つ目が「仕入の数字を確実に追っていけるようになったこと」です。
 ファックスや電話で発注していたときも、「紙の伝票を1枚1枚たしかめてノートに書き写す作業を行なっていた」そうなので、もともと仕入管理への意識は特に高かったのだろうと思います。ただ、すべての伝票をノートに書き写す作業にはとてつもない労力がかかりますし、「あるはずの伝票が見当たらないなんてしょっちゅうでした」というお話しからも、仕入の数字を正確に追っていくのに相当ご苦労されていたんじゃないかと想像します。
 そうした苦労が「BtoBプラットフォーム受発注」導入によって一気に解消され、理想とする仕入管理が実現できるようになったのです。

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中村 仁

(なかむら・ひとし)パナソニック、外資系広告代理店オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンを経て2000年に西麻布で飲食店を開業。立ち飲みブームのきっかけとなった「西麻布 壌」を皮切りに、とんかつ業態「豚組」、豚しゃぶ業態「豚組しゃぶ庵」などの繁盛店を世に送り出す一方、ツイッターを活用した集客で2010年に「外食ア ワード」を受賞。
2011年、料理写真を共有するアプリ「ミイル」をリリースしたのち、2013年に株式会社トレタを設立し現在に至る。
現在も「スクーリングパッド」をはじめ数々の飲食店向けセミナーの講師も務めている。
著書に『右向け左の経営術』『小さなお店のツイッター繁盛論』など。


飲食店を救う「ITサービス」ガイド

2015年は「飲食店IT化元年」と言われ、飲食店向けのITサービスが一斉にサービスを開始した年でした。
そして、その趨勢はすでに決まりつつあります。この連載では、そうした「飲食店を経営するうえで確実に利用したほうがよい」ITサービスを詳細に紹介していきます。
 

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