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飲食店を救う「ITサービス」ガイド
【第4回】 2017年6月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村 仁

飲食店がFAXや電話で仕入注文を
してはいけない理由
受発注・請求書システム「BtoBプラットフォーム」・前篇

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飲食店の予約/顧客台帳サービスとしてNo.1のシェアを誇る株式会社トレタの代表・中村仁氏に、飲食店向けのお勧めのITサービスを独断で選出し、解説してもらう好評連載が再開します!
今回は「仕入」を担い、ひいては請求書のやりとりまでも完結してくれる受発注・請求書システムを紹介します。(構成:谷山宏典)

FAXや電話での発注では
「どんぶり経営」を脱却できない!

 飲食店の経営に不可欠な2つ目のITサービスとしてご紹介したいのは、食材などの仕入を行なう「受発注システム」です。

 食材の在庫を確認して、翌日の売上の予測に基づいて不足分を仕入先に発注し、届いた食材を納品伝票を見ながら検品する……という作業は、飲食店にとって毎日行なわなければならない手間のかかる業務です。仕入にかかわる一連の作業をスムーズに行なえれば、店舗オペレーションの負担を軽減することができます。

 また、飲食店の売上は、仕入れた食材をお店で調理し、お客さんに提供することで発生します。仮に売上が伸びていたとしても、その裏で無駄な仕入を膨大にしていたら、売上に対する原価率が上がり、利益は出ません。逆に仕入コスト(=原価)を適正に抑えることができれば、おのずと原価率は下がり、利益を出しやすくなります。

 飲食店におけるコスト構造の中で、食材は最大の割合を占めています。飲食店を効率的かつ健全に経営するうえで、仕入は鍵となる業務の1つなのです。

 ところが、実際に多くの飲食店のバックヤードを見てみると、旧態依然としたファックスや電話での発注が今も当たり前のように行なわれており、非効率な状態のままになっているという現実があります。


 私自身が飲食店を経営しているときもそうでした。
 その日の営業が終わったら在庫を確認して、翌日の営業に必要な食材を各卸業者にファックスで注文していたのですが、仕入先は青果店、精肉店、鮮魚店、酒屋、食品店など複数にわたっていたため、どうしても時間がかかり、終電に間に合わないこともたびたびでした。

 また、翌日食材とともに送られてくる納品書には購入価格が記載されていたり、されていなかったりで、「今日いくら使ったか」という日々の原価の把握はまったくできていませんでした。その月にかかった原価がわかるのは、月末に月次の取引を締めて、すべての仕入先からの請求書が手元に揃う翌月中ごろ。その段階で原価が予算よりも上回っていたことがわかったとしても、もはや時すでに遅し。何の対処もできません。

 では、納品書にすべての金額がもれなく記載されていれば問題はなかったかといえば、それでも日々の原価の把握は困難です。なぜなら、ただでさえ仕事に追われている日々の営業の中で、納品書に記載された金額を合計し、その日の売上から原価率を出して……という計算を行なうような時間的余裕はまったくないからです。

 売上は毎日レジを閉めればわかります。一方、原価は、煩雑な伝票処理をしなければわからないため、ほとんどの店長や経営者は“わからないまま”日々の営業を続けざるをえません。

 売上に対して、どれだけ原価がかかり、どのぐらいの利益が出ているか(もしくは出ていないか)がわからなければ、自分たちの営業が順調なのかそうでないのかすら把握できません。精度の高い経営判断など、望むべくもないのです。私自身の経験から言えば、せいぜい客数や売上を見て「今月は先月よりも売上がアップしているから、多分順調だろうな……」と考えるぐらいで、原価のコントロールは常に打ち手が1ヵ月遅れる状態が続いていました。
 典型的な「どんぶり経営」だったと今では大いに反省しています。

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    中村 仁

    (なかむら・ひとし)パナソニック、外資系広告代理店オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンを経て2000年に西麻布で飲食店を開業。立ち飲みブームのきっかけとなった「西麻布 壌」を皮切りに、とんかつ業態「豚組」、豚しゃぶ業態「豚組しゃぶ庵」などの繁盛店を世に送り出す一方、ツイッターを活用した集客で2010年に「外食アワード」を受賞。
    2011年、料理写真を共有するアプリ「ミイル」をリリースしたのち、2013年に株式会社トレタを設立し現在に至る。
    現在も「スクーリングパッド」をはじめ数々の飲食店向けセミナーの講師も務めている。
    著書に『右向け左の経営術』『小さなお店のツイッター繁盛論』など。


    飲食店を救う「ITサービス」ガイド

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