加計問題に匂う許認可利権、アベノミクスは国家社会主義か

 ビールや発泡酒が6月1日から値上げになった。「スーパードライ」は350cc缶で15円ほど上がった。酒税法が改正され「安売り」が禁止されたから、という。自由競争であるはずの「モノの値段」を政府が規制する。日本は市場経済ではなかったか。

 安倍首相の旗振りで「生産性向上国民運動推進協議会」が5月24日、官邸で開かれた。全国から300社が動員された。冒頭の挨拶で首相はこう意気込んだ。

「生産性向上を全政府的な動きにしたい。私が先頭に立つ」

 日本経済の課題が生産性向上というのはわかるが、首相が先頭に立って国民運動を展開するというのは、大きなお世話だ。

 東芝の半導体子会社を売却にも政府は介入する。台湾企業はよろしくない、政府は大手企業に「奉加帳」を回して受け皿にしようと動く。

 日本は、規制緩和を叫ぶ「小さい政府」と思ったが、いつの間にか「大きい政府」になっていた。

 アベノミクスの変転から、「加計学園疑惑」を眺めると、今の政権の本質が読み解ける。